【集う】「マンガ大賞2010」授賞式

□3月17日、東京・有楽町のニッポン放送イマジンスタジオ

 ■主人公はイタリア人の夫のイメージ

 古代ローマ人の男が、浴場を通じて現代日本の風呂や温泉にタイムスリップしてくる。フルーツ牛乳や温泉卵…目に飛び込んでくる「文明」に衝撃を受ける主人公が、ローマに戻って“風呂革命”を起こしていく-。

 書店員ら漫画好き有志が選ぶ「マンガ大賞2010」はポルトガル在住の漫画家、ヤマザキマリさん(42)の「テルマエ・ロマエ」(エンターブレイン)に決まった。都内で開かれた授賞式で、本人はネット電話を通じて喜びの言葉や“異色作”誕生の経緯を語った。

 3回目を迎えた同賞は、昨年刊行された漫画のうち、最新刊が8巻以内の作品を対象に90人近い有志の投票で決まる。

 掲載誌「コミックビーム」の奥村勝彦編集長は、いろんな漫画の“こわもてキャラ”のモデルとしてファンの間では有名な名物編集者。一糸まとわぬ彫刻風のローマ人が目をひく単行本の表紙について、「風呂に入るのに体を隠すのは、教育上よろしくない。風呂入るときは裸や。そんなものを規制するのはやぼ」と漫画そのままのキャラを発揮し、笑いを誘っていた。

 ヤマザキさんは「実感がしみじみわいてきて涙が出てきました」と感慨深げ。「ローマ人はお風呂好きだったのに、現在の欧州には公衆浴場が全くない。『何で?』という憤りや(海外生活で)日本のお風呂に対する渇望から生まれてしまった作品」と語った。

 イタリア人の夫は「大のローマおたく」とか。「イタリア人にしては珍しく、硬派で融通のきかない性格。漫画のキャラにしたらおかしいだろうなあと常々思っていた。(主人公は)主人のイメージが大きく、若干私の理想を加えながら描いています」と明かしたいたずらっぽい笑顔には、夫を慕う「妻」の姿が見え隠れした。(三品貴志)

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