古い旅館改修、町のにぎわい 留学生寮一役

留学生に格安の家賃で住居を提供しているNPO法人「国際下宿屋」の寮が、佐賀市中心部にある松原神社の門前町にオープンした。かつて経済の中心地としてにぎわった参道沿いで、閉館した旅館を下宿屋が改修し、5月から佐賀大の留学生が住んでいる。空き店舗に悩まされている地元商店主の人たちも、町がにぎやかになると期待している。(吉村治彦)

 国際下宿屋は2003年に佐賀大の教員らによって設立された。苦学生が多く、下宿先を見つけるのが大変な留学生たちに部屋を貸している。取り壊し直前だった県の職員寮や、古いアパートを下宿屋が借り受けて寮に衣替えし、1万円前後で留学生たちに貸し出している。

 松原神社の門前町にできた寮は、1967年に建築された旅館の建物を下宿屋が改修した。建築基準法や消防法をクリアするために屋根のひさしを削ったり、防火壁を設けたりして約600万円の費用をかけたという。

 敷地にえびす像があることから、名称は「えびす寮」。木造2階建てで12部屋。広さは7畳と4畳半で風呂やトイレ、台所は共用。家賃は8千円から1万3千円で、現在、2人の学生が住んでいる。

 佐賀大文化教育学部の4年生で、中国から留学しているカン・ケイケイさん(25)は「部屋が広くて寮は快適。慣れれば、地元商店街の人たちとも交流したい」と話す。来日する留学生が多い9月ごろには入居者が増える見込みという。

 松原神社の門前町は約200メートルほどの参道で、商店経営者らが、市民グループを結成して町の活性化に取り組んでいる。門前町は、明治から昭和初期にかけ、近くに米穀取引所があったことから、九州各地から商人らが訪れ、旅館が軒を連ねていたという。

 しかし、現在は人通りが少なく、旅館も相次いで閉鎖され、空き店舗が目立つようになった。えびす寮が入った旅館の建物も、この20年ほど使われていなかったといい、佐賀大名誉教授の甲本達也理事長が寮として利用することを思い立ち、土地の所有者や商店主たちに相談し、賃貸が可能になった。

 下宿屋はえびす寮を含めて7カ所で寮を経営している。寮の経営を始めるにあたっては、外国人を警戒する地元住民から反対を受けて説得に一苦労することも多いが、甲本理事長は「えびす寮は、商店主の人たちが歓迎してくれた。町のにぎわいづくりに貢献したい」と話す。

 門前町の参道で飲食店を経営し、町内会の班長を務める川松広栄さん(78)は「人通りを増やしたいので、留学生たちが来てくれるのはありがたい。門前町も国際色豊かになり、楽しか町になる」と歓迎する。商店主たちと留学生との交流パーティーも計画しているという。

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