愛媛、広島交流始動 広域観光圏を世界に発信

3月13日7時57分配信 産経新聞

 愛媛県と広島県の相互交流を積極的に促し、広域観光圏としての魅力を引き出そうと、広島県の藤田雄山知事と愛媛県の加戸守行知事、広島・松山両商工会議所の会頭が4月4日、松山市の松山城山頂に集い、「交流促進宣言」を行う。

 今年のしまなみ海道10周年を機に、坊っちゃん劇場(東温市)で4月4日から上演されるミュージカル「鶴姫伝説」の広島への出張公演(9月)も決まり、広島も同県でブームとなっている伝統芸能「広島神楽」を4日から、松山市で初めて披露することになった。

 この文化交流を機に、瀬戸内をはさんだ広域観光圏を互いに意識し、国内だけでなく世界に発信しようという輪が財界を中心に広がり、今回の知事を交えた交流促進宣言に発展した。しまなみ海道開通後、両県が文化や観光面で連携する取り組みが本格化する。

 宮島と原爆ドームが世界遺産に登録された広島。昨年は日本三景の1つの宮島に訪れた観光客が過去最高を記録した。現在、同県を訪れる外国人観光客は東京、京都に次いで全国第3位。このうち西欧人が全国でトップの6割を占める。

 広島商議所の大田哲哉会頭は「愛媛には日本最古の道後温泉や松山城、坊っちゃん劇場など広島にない多彩な歴史、文化拠点がある。しまなみ海道や高速船で愛媛と広島がリンクすれば、風光明媚(めいび)な瀬戸内海を介して世界中に自慢できる観光圏が構築できるはず」と意欲的だ。

 広島神楽は江戸時代から継承される芝居仕立ての神楽で、軽妙な節回しやダイナミックな演技が特徴。松山城山頂では午前10時から、午後6時からは道後温泉本館前の坊っちゃん広場で。また、5日は午前10時からホテル奥道後で、スサノオノミコトが大蛇を退治する「八岐大蛇」や「英彦山(ひこさん)の巻」を安芸太田町の上殿神楽団が上演する(観賞無料)。

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