【悠々往来 ローカル線の魅力】JR指宿枕崎線

4月6日15時37分配信 産経新聞

 ■“最果て”目指して

 駅舎もないホームだけの無人駅をゆっくり通り過ぎ、のどかな田園風景が広がるパノラマの真ん中を列車が走る-。JR最南端の指宿枕崎線は、路線距離が80キロもあるローカル線の西の代表だ。穏やかな春の日差しに包まれた沿線は今、南国情緒を一層引き立てる最高の季節を迎えている。鹿児島空港から車で高速道路を乗り継ぎ約1時間。鹿児島中央駅で指宿枕崎線に乗り換え、一大温泉地として有名な指宿市へ向かった。(文 白岩賢太)

 2両編成のキハ47系気動車が力強く動き出す。鹿児島市郊外の住宅街やサツマイモ畑を通り抜け、平川駅を過ぎると列車は海岸線を走る。左手には雄大な桜島と錦江湾。一変した車窓からの風景に心も弾んだ。

 途中、NHK大河ドラマで有名になった篤姫の生まれ故郷である薩摩今和泉駅を通過し、出発から約1時間後、薩摩半島南端の指宿駅に到着した。温暖な気候から「日本のハワイ」と呼ばれる指宿だが、名物は砂蒸し風呂。さっそく駅最寄りの砂むし会館「砂楽」(TEL0993・23・3900)へ向かった。

 入り口で料金を払うと、下着も脱いで浴衣に着替え、海岸にある浴場へ。従業員の案内に従って砂場で横になり、砂をかけてもらう。温度は50度を超えるそうだが、顔だけ出して埋まると、これが何とも心地よい。目安の入浴時間は10分間と少し短めだが、全身から噴き出る汗をみれば、その効能がよく分かる。

 十分に体が温まったところで、再び気動車に乗り次なる目的地へ向かった。指宿駅から枕崎方面に3駅。ホームに降り立つと、「JR日本最南端の駅」の標柱が見える。ここは北緯31度11分に位置する西大山駅。ホームの向こうには「薩摩富士」と呼ばれる開聞岳(922メートル)がそびえる。無人駅だが、駐車場には大型バスがずらりと並び、記念撮影する観光客であふれている。

 「こんな小さな駅が観光スポットになっている理由が来てみてよく分かりました。鉄道の旅の魅力が存分に味わえるいい場所ですね」。岐阜県高山市の主婦、伊坂富枝さん(61)はこう話し、駅にある「思い出ノート」に旅の感想をしたためていた。

 西大山駅から東へ約1・5キロ離れたところに、鉄道ファンの間で撮影スポットとして知られる「お立ち台」がある。陸橋の上からカメラのファインダーをのぞくと、美しい稜線(りょうせん)を描く開聞岳をバックに、畑の中を一直線に走る列車を撮影することができる。イメージ通りの旅の風景がここにあった。

 終着の枕崎駅に到着したときには、すっかり日が暮れていた。当地のシンボル的な存在だった駅舎は3年前に取り壊され、記念碑だけが目立つ最果ての駅はあまりに寂しい。地元では再建の動きもあるそうだが、列車を降りた後の何とも言えない寂しさが一層の旅情を誘った。

【用語解説】指宿枕崎線

 鹿児島中央(鹿児島市)-枕崎(枕崎市)の87.8キロ。昭和5年に五位野(鹿児島市)までの14.1キロが部分開業。38年に枕崎まで延伸し、国鉄指宿線から現在の路線名に改称した。その後私鉄の南薩線(伊集院-枕崎)と結ばれ、同線が59年に廃止されるまで薩摩半島を鉄道でほぼ一周できた。西大山駅(指宿市)は、平成15年に沖縄都市モノレール線(ゆいレール)が開通するまで「日本最南端の駅」として有名だった。今もJRグループ最南端の地位は揺るぎない。

 

私の田舎なんですが、とても良い所です。

皆様も一度行ってみて下さい。

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