<NPO宿泊所>入所者は上限の2倍超 千葉市、黙認の疑い

5月28日9時47分配信 毎日新聞

 入所者の銀行口座を無断で開設したとされるNPO法人「厚銀舎」(東京都北区)の千葉市稲毛区の無料低額宿泊所が、同じ敷地内にある別の2団体の宿泊所と一体で運営され、市が定めた入所者数の上限を2倍以上超えていることが分かった。厚銀舎側は「当時の市の担当者から了解を得ていた」と説明。市は定期的な立ち入り検査をしながら改善は指導しておらず、逸脱を黙認していた疑いがある。

 市は、生活困窮者の自立や就労を支援する無料低額宿泊所について、入所者の待遇を適正に保ち、効果的に自立を図れるよう、設置指針(ガイドライン)を01年に策定。05年5月の見直しでは、大規模化による待遇劣化を防ぐ観点から「1施設50人を超えない」という上限を設けた。

 稲毛区にある厚銀舎の宿泊所は定員50人で指針の範囲内だが、同じ敷地には任意団体「FIS」(横浜市港北区)の宿泊所(定員38人)と、同「大桑」(東京都北区)の宿泊所(定員50人)もあり、風呂場を共同利用。市によると、届け出時の役員は、FIS7人と厚銀舎8人のうち3人が重複している。さらに、厚銀舎入所者の口座開設に協力した千葉銀行によると、手続きはFISが行い、入所者への預かり証もFISの名で発行している。

 3施設の開設届は指針見直し後に個別に出されており、厚銀舎の担当者は「もともとFISで全部やる計画だった。途中で指針ができ、市と事前協議を尽くして3団体でやることで了解を得た」と証言。事実上、一体での運営については「同じ敷地で協力し合うのは当然」としている。

 宿泊所を監督する立場にあった当時の保健福祉局長は「役員重複は改めるよう指導したと聞いている。詳しいことは分からない」と話すが、役員の変更届は市に出されていない。千葉市地域保健福祉課は「3施設を別々に指導してきた。一体ならば指針を逸脱しており、是正を求める」としている。

 ◇持ちつ持たれつ

 派遣村実行委員会の湯浅誠村長の話 生活保護受給者を利用し利潤を追求する団体が現れたのは2000年ごろ。行政は当初、警戒感を持っていたが、受給者へのアパート入居支援など個別対応に手間をかけたくないので、今では持ちつ持たれつの関係にある。宿泊所は今は玉石混交の状態。とりあえず施設への補助と規制を強め、最終的には行政が責任を持って施設を運営するしかない。

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