「家計見直し」 生命保険の節約効果は?

7月6日9時58分配信 産経新聞

 ボーナスの大幅カットや雇用不安が暮らしを直撃している。日々の食費や光熱費を切りつめる節約術には限界があり、家計の根本的な見直しは切実な課題だ。今後も収入増が望めないなか、無駄を省き、出費を抑えるにはどんな工夫ができるのか。

(中曽根聖子)

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 ◆非喫煙者プランも

 「給料が減ってやりくりが厳しい」「住宅ローンが払い続けられるか不安」

 家計ドック診断などを有料で行う「家計の見直し相談センター」(東京都品川区)には4月以降、不安を訴えて駆け込む人が増えている。

 同センターで相談を受けるファイナンシャルプランナーの山田和弘さんは「大きな節約効果が見込めるのが生命保険などの保険料」と指摘。そのうえで、「生命保険は勧められるまま必要以上に過剰に入っている傾向がある。世帯単位で見直せば、生涯で数百万円も減らせるケースもある」と説明する。

 一般に、必要な死亡保障額は子供の成長に伴い下がる。加入者が死亡した場合に毎月一定額を家族が受け取れる「収入保障保険」なら、毎年保険金総額が減っていくため、月々の保険料は定期保険より割安になる。たばこを吸わない人なら「非喫煙者向け」の割安プランがおすすめという。

 医療保障もある程度まで貯蓄で備えることが可能だ。重い病気や手術で月々の医療費が高額になっても一定額(一般所得者で8万100円)を超える分のほとんどが払い戻される高額療養費制度を利用できる。「万一に備えるなら、制度の対象外となる一部の高度先進医療をカバーする特約付き医療保険を」と山田さん。

 ◆お風呂は一緒に

 こまめに見直すことで大きな節約効果が得られるのが携帯電話の料金だ。

 インターネットの生活情報サイト「オールアバウト」の家計管理ガイド、山口京子さんは「最初に契約したまま使用している人が多い。割安プランが続々と出ているので、自分の利用時間帯やサービスに合わせた最適なプランを選択して」と、まずは基本をアドバイス。パケット料金も要チェックだ。一定の料金で無制限に使えるサービスを利用する人も多く、「本当に必要なのか話し合ってみるのもいい」。

 食費や光熱費を切り詰めるだけの生活には限界がある。山口さんが提案するのが家族や夫婦間での「お金のルール」。「食パンは100円以内、お風呂は一緒に入るといったルールを決め、浮いたお金で家族旅行に行くなど目標を作れば、家族の連帯感が生まれ長続きする」と話している。

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