千葉・松戸市女子大学生殺害放火事件 関与疑われる48歳男、別の強盗傷害事件で再逮捕

千葉・松戸市の大学生・荻野 友花里さん(当時21)殺害・放火事件で、警察が公開したATM(現金自動預払機)画像について、「自分だ」などと認めている48歳の男が、松戸市の別の強盗傷害事件で再逮捕された。警察は、一連の事件の手口が似ていることなどから、合同捜査本部を設置し、関連を調べている。
強盗傷害の疑いで再逮捕されたのは、竪山辰美容疑者(48)。
9日午後2時45分、竪山容疑者を乗せた車が松戸警察署に到着した。
竪山容疑者は、警察官に両脇を抱えられたまま、黒いジャンパーを頭からかぶり、ゆっくりと署内へ入って行った。
竪山容疑者は、11月2日に起きた強盗・婦女暴行未遂事件で、8日に起訴されている。
また、荻野 友花里さん殺害・放火事件で、警察が公開したATMの防犯カメラ画像について、「自分だ」と話しており、現金を引き出したことも認めている。
今回の逮捕容疑は、10月3日に起きた事件。
現場は、荻野さんの自宅からわずか1kmの場所だった。
竪山容疑者は、松戸市内に住む76歳の女性宅に侵入し、顔を殴るなどしたうえで、現金1万数千円とキャッシュカードを奪い逃走したという。
被害女性の近所の人は「奥さんは2階にいて、風呂に入ろうと思って、下着を持って下へ行って、風呂場の戸を開けたら犯人が出てきたんです。それで殴られて、キャッシュカードとお金を少し取られて、それで逃げたっていう話なんで」と話した。
竪山容疑者は、暴行については認めているが、「現金とキャッシュカードについては知りません」と供述している。
この事件からおよそ2週間後、竪山容疑者とみられる男が、東京・荒川区内の飲食店で豪遊していた。
竪山容疑者とみられる男が訪れた飲食店は「『自分、タテヤマと申します』と、名前は名乗りましたね」と話した。
男は、ビールや焼酎を次々と注文。
その様子について、飲食店は「飲み方も慣れているというか、女の子をヨイショしてけなして、ヨイショしてけなして、結構、口も達者みたいな感じで。上野方面じゃ、フィリピンとか中国系の店に行って、17~18万円は使うんだと豪語していた」と話した。
そして、男が支払った額について、飲食店は「9万4,600円くらいですか、結構、ラストまでいて」と話した。
男が竪山容疑者だとしたら、この金はどこから出たものなのか。
故郷・鹿児島で、竪山容疑者の母親が、カメラ取材に応じた。
竪山容疑者の母親は「(息子の顔は)思い浮かびません。自分の子どもにしたくないです。もう本当に、縁が切れるものなら切りたいですよ」と話した。
母親によると、竪山容疑者は成人後、盗みをはたらき服役。
そして2002年には、神奈川県で22歳女性に対する強盗傷害事件を起こした。
それから7年、再び同様の事件を起こした疑いが持たれている竪山容疑者。
警察は、犯行の手口が似ていることなどから、荻野さんの事件に関与した可能性もあるとみて、一連の事件について合同捜査本部を設置し、関連を調べることにしている。
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見たくないもの 京都市西京区・中村暁子(主婦・59歳)

近ごろ、毎朝楽しみにしている新聞の活字が読みにくい。友人に話すと、「それは老眼が進んだんとちがう? 眼鏡を替えてみたら」と言う。

 考えてみたら、この眼鏡はもう10年近く使っている。そうかもしれないと眼鏡店に行くと、やっぱり度が合ってないとのこと。2代目の老眼鏡となった。

 家へ帰って、ゆっくり新聞を広げ目を通す。まあ、よく見えること。今まで眼鏡をかけても読めずに虫眼鏡まで使って見ていた天気予報欄まで、はっきり見えるのもうれしい。

 その時、新聞を持つ自分の手にも目がいった。思わず新聞を横に置き、両手をそろえてじっと見入った。

 今まで気づかなかった、いや見えなかったたくさんのしわや、ポツポツとした小さなしみまでしっかり見える。動揺する心を抑え、ハンドクリームを塗らなきゃ、と洗面台へ急いだ。

 クリームをこれでもかと塗り込んだ後、「もしかして」と、眼鏡をかけたまま鏡の中の自分の顔をのぞき込む。まあ、これが私? 目の下には小さなしわがいっぱい刻まれている。こんなにしわがあるなんて……。字が読みにくかったのは解決したけれど、見たくないものまで見えてしまった。

 夜、風呂上がりに化粧水を念入りに塗り、パックをしていると、夫が私の顔を見て笑う。「無駄な抵抗」と。

 人に何と言われようと、せめて現状を維持したい。日々努力あるのみ。気づくのが少し遅すぎたけれど。

毎日新聞 2009年12月7日 大阪朝刊

カピバラ露天風呂、あすから公開 長崎バイオパーク

いい湯だな、気持ちいいな-。長崎バイオパーク(西海市西彼町中山郷)の冬の風物詩、カピバラの露天風呂が5日からお目見えする。3日、飼育広場でリハーサルがあり、カピバラたちが気持ちよさそうに入浴を楽しんだ。

 気候が温暖な中南米に生息するカピバラが、冬になると池に入るのを嫌がり、皮膚が乾燥してしまうのを防ごうとスタッフが考案。冬季限定の企画として昨年から導入した。

 石造りの露天風呂に約35度のお湯が張られると、カピバラたちは次々と湯船の中に。全身をお湯になじませながら「キューキュー」と気持ちよさそうな声を出したり、湯船のそばの打たせ湯に、目を閉じてあたりながら至福の表情を浮かべていた。

 伊藤雅男副園長は「カピバラたちの幸せそうな顔を見て、今年もやってよかったと思う。ほのぼのとした様子を見て、心を温めて」とPRしている。

 露天風呂は、来年2月28日まで毎日、正午から午後3時ごろまで公開する。

かつらの湯利用者5年で10万人達成 白石

白石市小原の温泉「かつらの湯」の入浴者がこのほど、10万人に達した=写真。2004年9月のオープンから5年目での達成で、管理している地区の活性化推進協議会は「大勢の人に小原温泉を愛してもらった表れ。感謝しています」と喜んでいる。

 かつらの湯は白石川沿いにある岩風呂。かつては地元住民が利用していたが、白石川の増水で埋もれ使えなくなっていた。それが七ケ宿ダムの完成によって川の水位が安定し、04年に市が復活させた。

 10万人目は仙台市宮城野区の渡辺信夫さん(66)と和江さん(58)夫妻。2人は初めて来たといい、「10万人目で光栄です」と話していた。

2女児虐待死事件 札幌地裁、稲見淳被告に懲役17年を宣告

06年9月に札幌市内のマンションで同居する女性の娘2人を虐待して死亡させたとして、殺人や死体遺棄などの罪に問われた稲見淳被告(33)の判決公判が、30日午後1時30分から札幌地裁で開かれた。

 嶋原文雄裁判長は公判の争点であり、稲見被告の暴行後、放置されて死亡した長女(当時4歳)に対する罪には殺人罪を適用せず、傷害致死を認定、稲見被告に懲役17年(求刑・懲役25年)を言い渡した。

 事件は、稲見被告と交際していた2女児の母親(稲見被告と共謀したとして死体遺棄罪と保護責任者遺棄致死罪で懲役4年の刑が確定)が、06年9月23日、娘を殺された恐怖心から近所にあるホテルに駆け込んだことを契機に発覚した。

 稲見被告が起訴された罪状は次の4つ。

 [傷害致死] 同月7日、交際相手の次女・陽菜ちゃん(当時3)に腹筋をさせた際、床に肘をついたことに激昂し、逆さ吊りにして前後に振り、窒息死させた疑い。

 [暴行] 同月16日、2児の母親に対して頭部や背中を踏みつけるなど暴行を加えた疑い。

 [殺人] 同月20日、長女・今野星菜ちゃん(当時4)が服に付けたカレーの食べこぼしを隠したことに怒り、自宅風呂場で頭部を殴打。身体をえび反りにするなどして意識不明となった星菜ちゃんを病院に搬送せず約21時間放置、翌日、硬膜下血腫で死なせた疑い。

 [死体遺棄] 2女児の遺体を布団圧縮袋に入れ、段ボールに詰めてクローゼットに遺棄した疑い。

 以上のように、非道の限りを尽くした稲見被告に対し、検察官は07年9月3日の論告で懲役25年を求刑した。

 一方、最終弁論で弁護人は「(星菜ちゃんの死について)極めて重篤で、すぐに救急車で運んでも救命できなかった可能性もある」などとし、殺人罪でなく保護責任者遺棄罪にとどまると主張して結審した。

 ところが、嶋原裁判長は検察官に星菜ちゃんの救命の可能性(殺人罪適用の成否)について医学的見地からの追加立証を求め、判決の言い渡しを延期した。さらに再開した公判でも、検察官に殺人罪の予備的訴因に傷害致死罪を追加する命令を下し、審理を再開させた。

 検察官は今年8月18日、実に3度目となる論告で傷害致死罪が適用された場合であっても従来通りとして、懲役25年を求刑した。

 弁護人は2度の判決延期に対し、「強引な訴訟指揮」だとして最高裁に特別抗告したが、いずれも棄却された。9月17日に開かれた最終弁論公判で「嶋原裁判長以下、刑事第1部合議係には失望している。違法な訴因変更命令を出し、強行に審理を進めた裁判所には何も期待していない」などと痛烈に批判した。

 30日に言い渡された判決によると、札幌地裁は星菜ちゃんの殺人罪に対して、「(星菜ちゃんの)救命の可能性は極めて少なかった」とした弁護側の証人として出廷した医師の所見を「矛盾はなく、不合理とは言えない。救命や延命の可能性があったとまでは認められず、殺人罪の実行行為性を欠く」と判断し、予備的訴因に追加させた傷害致死を適用した。

 嶋原裁判長は「(被告人の)甚だ身勝手な動機や経緯には酌量の余地は全くない。(長女が)重篤な意識障害を呈しているのをはた目に、出産間近であった飼い犬の体調を気にしてばかりいるなど、常識では考えられない行動をとっている点も強く非難される。陽菜や星菜に落ち度が全くないことは言うまでもない。理不尽な暴力を受けて苦しんだ末、わずか3歳あるいは4歳で将来を奪われたのであって、その肉体的苦痛や恐怖心などの精神的苦痛は察するに余りあり、哀れというほかない。とりわけ2人の幼い子どもを約2週間の間に相次いで死亡させたという本件の特異性に照らすと、被告人の刑事責任は重大。他方で、2人の死体を携えて警察に出頭し、反省の態度、改悛の情などを示していること、被告人自身も父親から虐待を受けていた生い立ちが本件の背景の一つとなっていることも否定できないなど、酌むべき事情も認められる」と量刑の理由を述べた。

 坊主頭にフリース素材の黒いジャンパー、色褪せたジーンズ姿で出廷した稲見被告は、微動だにせず裁判官を見据え、判決に耳を傾けた。

 最後に嶋原裁判長が「この事件では審理が長引いたことについて、裁判所としては被告人のみならず、遺族にも申し訳ない気持ちがあります。しかし、本件は複雑な事実を明らかにするために医学的見地から立証する必要がありました。いずれにしても被告人の行為で幼い2つの命が奪われたことに間違いはありません。このことをよく考えながら長い刑に服してください」と述べた。

 稲見被告は小さく頷きながら「はい」と答えた。(文、写真・糸田 午後7時30分更新)