安室奈美恵、CMでキュートな入浴シーンを披露

1月21日8時56分配信 BARKS

2008年、安室奈美恵を起用し、世間から大きな注目を集めた<Fashion×Music×Vidal Sassoon>。このCMの第3弾ヴィジュアルが発表された。なんと次のCMでは、お風呂の中でセクシー&キュートな安室ちゃんが登場する。

60年代、70年代、80年代の“リメイク”がテーマだった第1弾、“どセクシー”というキーワードでショウガール姿を披露した第2弾に引き続き、ヴィダルサスーンが安室奈美恵のほかに、オーランド・ピタ(ヘアスタイリスト)、パトリシア・フィールド(衣装デザイナー)を起用するCM第3弾。新CM「ブルジョワ・ゴージャス」篇は、「プレミアム ヴィダルサスーン シリーズ」詰め替え用の発売に合わせて、1月23日(金)よりオンエアされる。

このCMでは、なんと安室ちゃんが苺を片手にブルジョワな宮殿で入浴しているというシーンが。これはファンならずともチェックせずにはいられない! そしてもちろん、今回のCMも話題になることは間違いないだろう。

また、このCMキャンペーン・ソングには、安室奈美恵の3月リリース予定の新曲「Dr.」(ドクター)を起用。同CMのキャンペーン・テーマである“ブルジョワ・ゴージャス”にふさわしく、バレエ音楽“ボレロ”をネタにしたオペラパートやエレクトロ、テクノ、R&Bなどをミクスチャーした壮大な超大作に仕上がっているという。

2008年はベストアルバム『BEST FICTION』が170万枚を超える大ヒットを記録した安室奈美恵。2009年は一体どんな作品を世に放ってくれるのか、どれだけ我々を魅了してくれるのか? この新CMをはじめとして、彼女の2009年にはファンならずとも期待が高まる。

書ちゃ食ちゃ寝:青森県人の美肌 /青森

1月22日16時2分配信 毎日新聞

 青森に赴任して驚いたのは、町や取材先で会う人たちの肌の白さ。しっとりもちもちとしていて、思わず触りたくなるほどキメが細やかだ。市場や銭湯でつやつや肌のおばあちゃんを見かける度に、「うらやましい」と思う。
 赴任して10カ月がたち、青森の美肌の秘密が徐々に分かってきた気がする。特に青森市は冬は一日中曇りで紫外線を浴びることもなく、適度な湿度が保たれている。東京ではあかぎれなどに悩まされ、保湿クリームが手放せなかったが、今ではクリームがまったくいらなくなった。
 日本一と言われる早寝早起きの規則正しい生活習慣も、肌によい影響を与えているのかもしれない。食べ物やお風呂好きなど、秘けつはまだまだありそうだ。赴任の間に美肌の秘けつを学び、あやかろう。(久)

観光名所紹介:台湾からの観光客増やそう!! 県がメディア関係者を招待 /長野

1月19日13時1分配信 毎日新聞

 ◇冬の信州売り込み
 信州の観光名所を紹介しようと、台湾のメディア関係者が県内を取材のために訪れている。外国人観光客の中で最も多い台湾からの誘客を促進しようと、県などが企画・招待した。15日は観光親善大使の女優、頼雅妍(ライメーガン)さん(29)らが、長野市の善光寺や野沢温泉村の道祖神祭りなどを訪ね、冬の長野を満喫していた。
 来県しているのは、台湾のテレビ局「民視電視台」と月刊誌「Taipei Walker(タイペイ・ウオーカー)」の取材スタッフ計13人。15日から5日間の日程で、善光寺や松本城など信州観光定番の名所を巡る。乗鞍高原では西洋式のかんじき「スノーシュー」も体験するという。
 これまでも番組で日本各地を回ってきたという頼さんは「日本は地域ごとに文化が違って楽しい。長野で見たもの聞いたものをメディアを通じて台湾に伝えたい」と笑顔で話した。
 県観光部によると、07年の台湾からの延べ宿泊者数は10万9758人で、外国人観光客全体の約4割を占める。季節感があることや新鮮な果物が豊富なことが人気の理由といい、4、5月が多く、冬季はまだ少なめという。観光振興課は「冬の信州を売り込み、通年で長野に来てもらえるようにしたい」と意気込んでいる。【大平明日香】

えぼし雪上花火大会:白銀に浮かぶ七色--蔵王のスキー場 /宮城

1月18日15時2分配信 毎日新聞

 蔵王町遠刈田温泉のみやぎ蔵王えぼしスキー場で16日夜、新春恒例の「えぼし雪上花火大会」が始まった。見物のスキーヤーたちは、白銀のゲレンデの夜空を彩る幻想的な冬の花火を楽しんだ=写真。
 雪上花火大会は同スキー場の創業30周年を記念。16、17日夜の2日間、開催された。
 初日の16日は午後7時、高原ゲレンデで打ち上げスタート。スターマインなど計約1000発の花火が次々と打ち上げられ、冬の夜空に色鮮やかな大輪の花が咲くと、大きな歓声と拍手が送られていた。【豊田英夫】

老舗温泉旅館が老人ホームに 山梨

1月18日8時1分配信 産経新聞

 太宰治や井伏鱒二など昭和の文豪が執筆のため滞在したことで知られる湯村温泉郷で、創業約100年の老舗旅館「ホテル湯伝」が、特別養護老人ホーム「志麻の郷・湯村」(甲府市湯村、社会福祉法人ひかりの里運営)に生まれ変わり、17日、同ホームで竣工式が行われた。

 式典では、ボランティア団体や地元温泉団体の関係者など約250人が集まり、赤池誠章衆議院議員が「長い歴史のある湯村温泉郷で、福祉拠点ができるのは喜ばしいこと」と祝辞を述べた。

 入居定員は48人で、炭酸泉を使った足湯は、地域住民や温泉客も入湯料100円で利用できるようにする方針という。

大正の橋彩る幻想の光 福島・飯坂温泉で試験点灯

1月18日6時13分配信 河北新報

 福島市の飯坂温泉にある日本最古級の鋼鉄製アーチ橋「十綱橋」が今春からライトアップされることになり、試験点灯が15日に行われた。岸に旅館がせり立つ摺上川に、白色の明かりで照らされた橋が幻想的に浮かび上がった。

 試験点灯では、機器を設置する福島県県北建設事務所の職員らが機器の配置や光の当て方を調整。照明デザイナーが提案したイメージに沿い、橋を川面に映し出した。

 県は春の観光シーズンをにらみ3月に照明機器などの設置工事を終え、遅くとも4月にはライトアップを始める予定。

 建設事務所は「美しい構造を持つ橋は水面に映る裏側も見応えがある。」と話す。飯坂温泉観光協会が電気代など経費の一部を負担して協力するほか、市も機器の日常点検などで支援する。

 現在の十綱橋は1915年、10本のワイヤで支えるつり橋から架け替えられた。温泉街中心部を走る県道の一部で、街のシンボルになっている。

北陸3県の旅 魯山人の原点で和の美に浸る

1月17日18時54分配信 産経新聞

 北陸三県(富山、石川、福井)を2日かけてまわった。加賀温泉の一つ、山代温泉(石川県加賀市)では、山代とゆかりの深い北大路魯山人のアートと温泉の両方を楽しむのが最近の流行という。木彫りの世界が広がる「井波彫刻総合会館」(富山県南砺市)では彫刻のおあつらえも可能だ。福井を代表する曹洞宗大本山・永平寺(福井県永平寺町)で心静かに座禅を組めば、いつもとは少しだけ違う景色が見えたような気がした。(北村博子)

 JR大阪駅から特急「サンダーバード」に乗り、富山県の高岡駅で列車を降りる。雪化粧した山の中を車で走り、「五箇山(ごかやま)」の合掌造り集落を堪能した後で、木彫りの逸品が集まる「井波彫刻総合会館」を訪れた。高岡駅からは車で約30分ほどだ。富山県南西部に位置する井波の町は国内最大の木彫り産業地として知られ、彫刻士は200人を超える。館内には欄間のほか仏像や獅子頭などの置物が並ぶ。「古典的な彫刻依頼に加え、動物などをユニークに表現した表札の“おあつらえ”も、最近じわじわ人気です」。そう話すのは岩倉雅美館長(56)。家具や建具に洋柄をデザインするなど新しい発想も大歓迎という。井波彫刻は時代に逆行せず、流れに乗ることで伝統を守ってきた。岩倉さんは「今後も多方面の注文にチャレンジしていきたい」と意欲的だ。

 館内の一角、彫刻の実演コーナーでは、彫刻士の大野秋次さん(60)が何十種類もの彫刻刀を前に重量感のある欄間の制作に励んでいた。完成間近の欄間には富山の民謡「おわら風の盆」の風景などが盛り込まれていた。注文主と入念な打ち合わせの上でデザインしたというその作品は、ストーリー性があり、実に見応えのある大作だった。

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 JR金沢駅前のホテル金沢(金沢市)に宿泊し、翌朝は車で約10分の前田家14代の居城、金沢城を訪れ、城の裏口にあたる石川門などを見学。その後、金沢城から車を走らせ、約1時間で山代温泉に到着。ここが陶芸家、北大路魯山人の原点であることを知る人は少ないかもしれない。

 貧しい書家時代の魯山人は、宿の刻字看板彫りの仕事を与えられて滞在。当時、総湯(共同浴場)を囲む18軒のうち6軒の宿の看板をそれぞれ異なるタッチで彫り上げ、今も「あらや滔々(とうとう)庵」など一部の旅館で大切に保管されている。

 魯山人が過ごした旧吉野屋旅館の別邸が総湯の近くに残る。現在は魯山人寓居跡「いろは草庵」として、作品展示のほか作業場や書斎、いろりなどが当時の様子をしのばせる。魯山人は滞在中に出会った陶芸家、初代須田菁華から陶芸を学び、宿の主人たちと交流を深めるうちに料理も覚えたという。「傲慢(ごうまん)で自由人と伝わる魯山人ですが、山代ではそうではなかったようです」と学芸員の蔵本敬大さん(29)。山代は今後、和のアートで美意識が高まる温泉場としても人気を集めそうだ。

 北陸の冬の味覚であるズワイガニもぜひおさえておきたいところ。「ゆのくに天祥」(加賀市)に立ち寄り、甘みのあるカニ身を鍋、焼き、刺し身などで味わった。

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 その後車で向かった曹洞宗大本山・永平寺の境内では、黒色の薄いけさを身につけた若い雲水たちが清掃していた。いてつくような寒さにほおを真っ赤に染める雲水たちを見て、少しは自分の身を正そうと座禅体験をすることにした。

 足の組み方、手の位置、目線、姿勢など座禅の心得を教わり、壁に向かう。明かりが消えた静かな部屋に聞こえるのは、巡回する雲水の足音と衣ずれの音だけだ。気を抜くと棒で背中をたたかれる。これを「警策」というのだが、近くでパーンと激しい音が響くたびに体がビクッと反応する。緊張の連続だったが、しばしの間自分と向き合えた。

 また山縣洋典・伝道部講師の説法は、人と人とのつながりの大切さや自分のおごり、他人へのいたわりなどを説く内容で、日々の生活を見つめ直す良い機会になった。「ここは修行の場であるから豪華な装飾や仏像などの宝はないが、苦行に励む雲水たちこそが寺の宝です」という言葉が特に印象的だった。

 座禅を終えた帰り道、風景は一層美しく見え、日暮れの空には自分を支えてくれる人たちの顔が浮かんだ。

 【アクセス】 JR大阪駅から高岡駅まで「サンダーバード」で約3時間。3月31日までの「Japanese Beauty Hokurikuキャンペーン」中は、北陸エリアの各駅から主要観光地までタクシーでアクセスできる「駅から観タクン」の利用が便利。「井波彫刻の『お誂え』コース」や「永平寺コース」ほか11コースがある。問い合わせはJR西日本金沢支社((電)076・253・5222)。

 【井波彫刻総合会館】 木彫りの里創遊館の施設の一つ。営業時間は9時~17時、第2・4水曜休館。入館料500円(注文すれば無料)。実演は4月~11月のみだが、隣接する創遊館で通年行っている。問い合わせは(電)0763・82・5158。

 【いろは草庵】 入館料大人500円、高校生以下無料。営業時間は9時~17時、水曜休館。(電)0761・77・7111。

 【ゆのくに天祥】 18種の湯とカニ料理が楽しめる宿。「白雲蟹づくし」はカニ料理のほか薬膳スープ、カニ雑炊などがついて料金は1万1750円(入浴付)。(電)0761・77・1234。

 【永平寺】 拝観料は500円、小中学生200円。9時~17時(季節によって異なる)。座禅体験など詳しい問い合わせは同寺((電)0776・63・3102)。

シロアリ・腐朽菌で劣化 木造家屋地震損壊拡大 京大研究者が確認

1月19日10時9分配信 京都新聞

 地震による木造建築物の損壊の危険性を高める要因の一つとして、シロアリや木材腐朽菌による部材の劣化が注目されている。2007年7月の新潟県中越沖地震でも、京都大の研究者が調べた損壊家屋の多くで生物による劣化が認められた。居住者自らが建物を点検することが家屋を守るために必要という。
 木造家屋の部材への生物劣化は、阪神大震災で損壊した家屋でもあった。損壊には構造的な強度不足などさまざまな要因があり、生物による劣化でどの程度損壊の危険が高まるかが研究課題になっている。
 京大生存圏研究所の森拓郎助教(木質構造学)は、07年3月にあった石川県能登半島地震の調査で、損壊家屋の多くにシロアリの食害や腐朽菌による柱や土台の劣化を認めた。このため、同年の中越沖地震で、農学研究科の簗瀬佳之助教(林産加工学)と生物劣化に着目した現地調査を行った。
 震度6強で被害が大きかった新潟県柏崎市と刈羽村で損壊のひどい約40棟の建物を調べたところ、柏崎市内の家屋のほとんどで腐朽があり、約7割でシロアリの食害を発見した。損壊との関係は不明だが、接合部の「ほぞ」がシロアリに食い尽くされるなど、損壊の要因となった可能性が高い家屋もあった。
 ■「自己点検で発見を」
 京都や滋賀にいるのは食害の進行が比較的遅いヤマトシロアリで、早期に発見すれば対策は立てられるが、「羽アリが飛ぶようになったら危ないので、早急に対処しないといけない」と森助教はアドバイスする。「シロアリや腐朽菌の被害は、床下やトイレ、台所、風呂などの水回り、雨漏りの場所で危険性が高い。活性化する5月以降に自分で調べれば見つけることができる」という。シロアリ駆除の業者とのトラブルも報告されていることから「まず自分で点検してほしい」と話している。

被災者が体験談 阪神大震災から14年(和歌山)

1月17日17時12分配信 紀伊民報

 6434人が亡くなった阪神大震災から14年を迎えた17日、和歌山県南部の沿岸部では防災訓練が行われた。東南海・南海地震への備えが問われる中、紀南地方に住む当時の被災者から体験談を聞いた。
■住民の力は大きい 田辺市消防本部、村上朝博さん(35)
 当時大学3年生で、神戸市中央区のアパートで寝ていた。揺れは激しく長く感じた。心配しているだろうと思い、田辺市上屋敷の実家に公衆電話で無事を伝えた。
 明るくなってから外へ出ると、倒壊した家が目に入り、遠くでは煙が上がっていた。
 三宮駅まで歩いた。途中、男性が誰か来てくれと声を上げていた。「ここにおばあちゃんがおるんや」。1階部分がつぶれた民家だった。
 家族なのか近所の人なのか、集まった十数人と協力して家具を取り出すと、姿が見えた。「大丈夫か」「ああ」
 市消防本部の警防室で働くいま、この経験が生きる。行政でできる限りのことはする。けれども、大きな災害時では住民の力は大きい。消防だけでなく、地域の町内会などいろんなところが機能してこそ防災だと思う。
■人のつながりを大切に 田辺市総務課、那須仁さん(36)
 神戸大学の学生で神戸市灘区の木造アパート2階で暮らしていた。その日午前5時すぎに起き、こたつで新聞を読んでいた。青白い光が窓の外に光った後、アパートが持ち上がり、舟揺れのように揺れた。部屋の中は家財道具が散乱したが、けがはなかった。
 アパートの1階部分がつぶれ、死者が出た。薄明かりの外は映画で見た戦場のような街の情景だった。
 近所の住民は各自で救助活動を始めた。食べ物を求めて並んだ店は3時間の行列。夜は開放された市バスの車庫に泊まり、翌朝3時間歩いて阪急西宮北口駅から田辺市下屋敷町の実家に帰った。
 いざという時は住民のつながりの深さが大事だと痛感した。防災対策で訴えたいことだ。身一つで市役所に駆け付ける覚悟はできている。
■万一に備え持ち出せる袋を 白浜町堅田、山下美知子さん(79)
 その日、60センチほど離してあった夫婦のベッド同士がぶつかるほどの衝撃で起こされた。西宮市内の自宅2階の窓から隣の2階建ての家がぺしゃんこになっているのが見えた。
 水道が復旧するまで風呂を我慢した。10日間入らなかったこともある。顔を洗うのも目の周りだけにした。浄化槽に板を渡し、周りを囲ったトイレを1カ月以上使った。
 半壊といっても住める状態ではなかった。気に入った家だったので夫婦でこつこつ修理したが、コンクリート基礎に大きなひび割れがあるのを見つけ、あきらめた。約1年暮らした後、実家のある白浜町に戻り、家を建てた。
 白浜に来てからは、万一に備え、玄関に水を入れたペットボトルと懐中電灯を、枕元に大事なものを放り込める大きな袋を常に置いている。

静和病院の診療報酬詐欺:詐欺容疑で病院長送検 もうける仕組み作りに腐心 /静岡

1月16日13時1分配信 毎日新聞

 東伊豆町奈良本の静和病院(307床)をめぐる診療報酬不正受給事件で、下田署などは15日、病院長の吉田晃容疑者(69)を詐欺容疑で地検沼津支部に送検した。吉田容疑者は「医療をビジネスと割り切り、もうけるための仕組み作りに腐心していた」(病院関係者)とされる。吉田容疑者が作り上げたという同病院を使った“医療ビジネス”の実態と背景を探った。【山田毅、竹地広憲】
 ◇「患者は二の次」証言も
 海岸沿いの熱川温泉から山間部を車で5分ほど走ると、小高い丘の上に巨大な病院が現れる。大阪で建設会社を経営していた吉田容疑者が自ら設計して建設、84年に開院した。病院関係者によると、現在約230人いる入院患者のほとんどは、東京都や神奈川県など首都圏から受け入れた生活保護受給者だという。
 生活保護受給者の積極的な受け入れは、約10年前から始まったとみられる。当時、医療の必要性が低い高齢者が長期入院するケースが問題化し、長期入院者の受け皿となっていた療養型の病床を減らし、医療費を抑制することが課題になっていた。
 その療養型病床を中心に運営していた同病院は、この流れを逆にチャンスととらえ、長期入院者の受け入れに傾いていったとみられる。首都圏の自治体にパンフレットを送り、「生活保護を受ける高齢者を紹介して」と“営業活動”を展開した。00年の介護保険制度導入で、首都圏の介護施設は満杯となり、神奈川県のある自治体職員は「身寄りのない生活保護受給者の行く先を探す自治体担当者が、最後に行き着くのは静和病院だった。助けられた自治体は多いはず」と明かす。
 税金から支払われる生活保護費で入院費をまかなうという、病院の安定した収益モデルを作り上げる一方で、経費削減に異常なまでに力を入れた吉田容疑者の姿を指摘する病院関係者は多い。元職員によると、病院施設の壁などの修繕を事務職員が手伝わされるなど、その徹底ぶりはテレビ番組でも取り上げられたほどだった。
 また、複数の病院関係者は毎日新聞の取材に対し、重症でない患者への過剰な薬剤投与や、不必要な検査を数多く受けさせるなど、より多くの診療報酬を得るための医療行為が日常化していたと証言。「患者を病室で裸にして風呂場まで行かせたり、認知症患者を車いすに乗せて廊下に並べて食事させた」など、患者への対応は二の次だったと証言する元職員もいる。
 病院経営や医療制度に詳しい国学院大経済学部の中泉真樹教授(医療経済学)は、静和病院のような経営を「患者の受け入れ先を探す行政側と、入院者を確保して採算を取ろうとする病院側の動機がマッチした結果」と分析する。事件については「モラルハザード(倫理観の欠如)の典型だ」とし、医療ビジネスの行きすぎを防ぐためには、「コストがかかろうと、県などの公的機関による恒常的な監視が必要だ」と指摘している。