仙人風呂:田辺・川湯温泉で始まる 地元園児らが歓声 /和歌山

11月2日14時0分配信 毎日新聞

 田辺市本宮町の川湯温泉で1日、大塔川をせき止めたプール大の露天温泉「仙人風呂」が始まり、地元の園児や遠来の家族連れらが秋空の下で一番風呂を楽しんだ。2月末まで無料開放している。
 熊野本宮観光協会(菊池博子会長)が85年から始め、毎年11月~翌年2月の4カ月間、温泉郷を流れる大塔川の砂利をかき上げて作る。大きさは長さ50メートル、奥行き15メートル、深さ60センチで、川岸からわき出す73度の源泉を清流で40度前後に調整している。
 近くのたんぽぽ保育園からは敷地涼君(6)ら24人が招かれ、水着姿で湯をかけ合うなどして歓声を上げた。午前5時に大阪を出発した家族連れは「9歳の長女が小さい時から、毎年のように一番風呂に来ています」と話し、堪能していた。【吉野茂毅】

別府八湯・名人への道:/21 湯屋えびす(明礬) /大分

10月31日17時2分配信 毎日新聞

 ◇弟のデビューを祝福
 長男裕紀(4カ月)が温泉デビューを果たした。長女日向子(3)と妻、そして筆者の4人で「湯屋えびす」の家族湯に入ったのだ。裕紀を抱きかかえて白濁した湯船につけると、日向子は「裕くん、おめでとう」と声をかけた。
 1876(明治9)年創業の老舗旅館「ゑびすや」が作った入浴施設だ。硫黄分が強い明礬(みょうばん)地区の湯は昔からあせもなどの皮膚のトラブルや傷などに良いと言われてきた。本田麻也女将(42)は「蚊に刺された時も、薬を塗るより温泉でお湯をつけた方が効くほどです」と語る。
 湯には自信があった。それを多くの人に知ってもらおうと先代が作った入浴施設を大幅に作り替え、日帰り客を重視した施設として05年秋にリニューアルオープンした。別府湾を見下ろす窓からの景色も自慢のひとつだ。1階と2階の大浴場は日替わりで男湯、女湯になる。「2階にはゆったりと窓の外の景色を楽しみながら半身浴で体を温める湯船も作りました」と本田さんは言う。
 やや青みがかった白濁の湯から、ほんのりと香る硫黄のにおいが心地よい。大好きな「くさくさ温泉」に、日向子もご機嫌だ。頭を洗いながら「幼稚園で『あー、どっこいしょ』ってソーラン節、練習しとるんで。汗かくから、しっかり洗わんと、いかんのでぇ」と説明してくれた。【祝部幹雄】
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 95度の単純硫黄泉など2本の源泉を持つ。露天風呂や内風呂など多数の湯船を備えた大浴場(大人1000円)や家族露天風呂(60分平日2000~2300円、土・日・祝日2500円)などがある。入浴受け付けは午前10時~午後10時。問い合わせは0977・67・5858。