10月31日17時2分配信 毎日新聞
◇弟のデビューを祝福
長男裕紀(4カ月)が温泉デビューを果たした。長女日向子(3)と妻、そして筆者の4人で「湯屋えびす」の家族湯に入ったのだ。裕紀を抱きかかえて白濁した湯船につけると、日向子は「裕くん、おめでとう」と声をかけた。
1876(明治9)年創業の老舗旅館「ゑびすや」が作った入浴施設だ。硫黄分が強い明礬(みょうばん)地区の湯は昔からあせもなどの皮膚のトラブルや傷などに良いと言われてきた。本田麻也女将(42)は「蚊に刺された時も、薬を塗るより温泉でお湯をつけた方が効くほどです」と語る。
湯には自信があった。それを多くの人に知ってもらおうと先代が作った入浴施設を大幅に作り替え、日帰り客を重視した施設として05年秋にリニューアルオープンした。別府湾を見下ろす窓からの景色も自慢のひとつだ。1階と2階の大浴場は日替わりで男湯、女湯になる。「2階にはゆったりと窓の外の景色を楽しみながら半身浴で体を温める湯船も作りました」と本田さんは言う。
やや青みがかった白濁の湯から、ほんのりと香る硫黄のにおいが心地よい。大好きな「くさくさ温泉」に、日向子もご機嫌だ。頭を洗いながら「幼稚園で『あー、どっこいしょ』ってソーラン節、練習しとるんで。汗かくから、しっかり洗わんと、いかんのでぇ」と説明してくれた。【祝部幹雄】
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95度の単純硫黄泉など2本の源泉を持つ。露天風呂や内風呂など多数の湯船を備えた大浴場(大人1000円)や家族露天風呂(60分平日2000~2300円、土・日・祝日2500円)などがある。入浴受け付けは午前10時~午後10時。問い合わせは0977・67・5858。