皮膚難病魚鱗癬に理解を

メッセージタオル販売 温泉入浴資金に
 皮膚の難病で見た目などから公衆浴場を使いづらい患者に温泉を楽しませたいと、患者の家族らでつくる会が病気への理解と支援を求めるメッセージ入りのタオルを製作した。一般への販売を本格化し、集めた益金で施設を貸し切って患者の希望をかなえようと活動している。(板山康成)

 タオルを販売するのは、患者21人と家族でつくる「魚鱗癬(ぎょりんせん)の会」(事務局・北九州市小倉南区)。魚鱗癬は皮膚が乾き、魚のうろこ状になる皮膚病で、2009年度から先天性魚鱗癬様紅皮症が国から研究費などが出る難治性疾患(難病)に指定された。感染はしないが、皮膚がはがれるため、他人の目が気になり、ほとんどの患者が温泉につかった経験がないという。

同会代表の梅本千鶴さん(52)は「患者たちが気兼ねせずに入れる大きなお風呂があれば」と話し、貸し切りに応じてもらえる温泉施設の協力を呼びかけている。

 タオルは120センチ×42センチのスポーツタオルサイズ。「私たちの病気を知ってください」とのメッセージと、体温調節が苦手な患者が「強い日差しに負けない」という気持ちを込めた会のシンボルマーク、ヒマワリがあしらわれている。

 1枚1000円で販売し、このうち300円を温泉の貸し切り代に充てる予定。毎年5月、同会の交流会がある宗像市の多目的スポーツ施設「グローバルアリーナ」で購入でき、今月末からは会のホームページ(http://www.gyorinsen.com/)でも販売する。これまでに自治体やスポーツ団体などから400枚を超える購入があったという。

 「来年の交流会で、全国から集まるみんなと一緒に温泉に入れればうれしい」。患者で梅本さんの長男、遼さん(14)はこう話し、「1年で2000枚は売りたい」と意気込んでいる。

 問い合わせは事務局の梅本さん(093・982・2128)へ。

(2010年5月12日 読売新聞)

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