11月25日10時59分配信 京都新聞
天然温泉やテニスコートなどを備える国民年金健康センター「丹後おおみや」(京都府京丹後市大宮町三坂)が、社保庁改革の一環で売却されることになり、来年2月1日で営業を終えることが分かった。売却先の意向次第で全く別の施設になる可能性もあり、利用者からは機能の存続を求める声が上がっている。
年金福祉施設などの整理にあたる独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)」によると、委託会社が来月19日に入札を実施。最低売却価格は9700万円で、施設形態は売却先が決める。
同センターは被保険者らの健康づくりなどを目的に1995年にオープンした。敷地面積約1万8000平方メートル、地上3階地下1階建て、延べ床面積約4000平方メートル。16の宿泊室や宴会場のほか、温泉浴室やテニスコート4面などを備える。昨年度の延べ利用者数は約6万1200人で、日帰りの入浴客がほぼ半数を占める。
挙式会場としても利用されてきた。2005年に同センターで結婚式を挙げた同市網野町の男性(33)は「高台にあり雰囲気も良く、一生に一度の思い出の場所。これまで通り残してほしい」と語る。
営業終了に伴い、パートを含む従業員40人は全員解雇になる。田中哲夫センター長は「どんな施設になるかは落札者次第で、現時点では分からない。雇用や機能の存続を願いたい」と話している。
施設の機能存続に協力を求め、地元住民が今日、要望書を中山泰市長らに提出する予定。