12月4日17時5分配信 紀伊民報
大分県の由布院温泉組合青年部が3日、熊野古道を活用した健康づくりを視察するため、田辺市本宮町を訪れた。古道ウオークを体験した後、地元の本宮町商工会青年部と交流し、滞在型観光など観光地づくりについて意見を交わした。
由布院温泉組合は、温泉旅館など95施設で構成している。温泉資源を活用した健康づくりに取り組んでおり、青年部9人が1泊2日で視察した。
この日は、語り部や健康ウオークのインストラクターの案内を受けて、伏拝王子から熊野本宮大社までの約3・5キロを歩き、川湯温泉の仙人風呂に入ったり、地元の食材を使った薬膳(やくぜん)料理を味わったりした。
その後、本宮町商工会青年部や健康ウオークを実施している和歌山健康センター「熊野で健康ラボ」のスタッフら約10人と交流会を開き、地域の取り組みを話し合った。
由布院では、日帰りを含め年間約400万人、宿泊客で約100万人の利用があるという。熊野古道や温泉について、由布院温泉組合の組合員からは「熊野には由布院にない自然と歴史の深さがある」「川から温泉がわき出るという川湯温泉は珍しく、素晴らしい資源。仙人風呂は行政が設備や広報を支援するなど、市全体で売り出してもよいのでは」などの意見があった。
本宮町商工会青年部は、イメージキャラクターを使った地域づくりなどの活動を紹介。由布院温泉の規模や歴史、観光客の動向などについて熱心に質問した。
由布院温泉組合青年部の田中聖次さんは「由布院が有名になったのは最近で、温泉地として比較的歴史が新しい。熊野の持つ歴史や自然の大きさに驚いた。滞在型の観光地づくりを目指す上で、薬膳料理や語り部などの取り組みはとても勉強になった」と話した。