外国人に優しい観光地を 宿泊施設対象に講座(和歌山)

12月5日17時15分配信 紀伊民報

 田辺市熊野ツーリズムビューローは4日、市内の宿泊施設などを対象に、外国人観光客に対応するための講座を始めた。9日まで各地で順次開く。昨年作成した英語と日本語を併記したパンフレットの感想や、実際に外国人観光客に応対して気付いたことを話し合い、今後の活動につなげる。
 講座は外国人観光客に優しい観光地づくりを目指そうと、昨年度から市内の観光地で実施している。ローマ字表記と日本語表記が外国人旅行者に与える印象の違いなどを学んでおり、本年度は1年間を通じて気付いた点を話し合う。
 この日は午前と午後に分けて、田辺市本宮町の湯の峰温泉、川湯温泉、渡瀬温泉の宿泊施設関係者を対象に開いた。
 施設関係者は1年間を振り返り、土砂崩れによる道路の通行止めなど突発的な事態を伝える場合に言葉が通じず苦労したことや、高野山と熊野を行き来する外国人旅行者が多いことなどを報告した。
 また、参加者からは「以前、外国人旅行者で直前のキャンセルが相次いだことがあり、不安に思う」「和食を食べられると聞いていたが直前になって菜食主義と言われ、対応に困った」「予想よりも外国人旅行者の利用が増えない」などの意見があった。
 ツーリズムビューローの国際観光推進員、ブラッド・トウルさん(33)は、外国人旅行者を増やす取り組みとして「外国人同士が互いに旅行地の情報をやりとりすることが呼び込みにつながる」と説明。旅行者が旅館で感想を書き込むゲストブックや英語入りの旅館名刺を置くことを勧めた。
 ブラッドさんは「旅行者の声をアンケートで集計しているが、受け入れる施設側の声も聞き、双方の意見を積み上げて、互いに安心できる観光地づくりを目指したい」と話した。

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