12月10日21時0分配信 カナロコ
ミツマタでまちおこし―。観光客誘致を目的に山北町の丹沢湖や中川温泉周辺をミツマタ(ジンチョウゲ科)の里にする町を挙げての取り組みの一環として、ミツマタの花をモチーフにした和菓子が完成した。ミツマタは今月に入って白い花芽を付け始めており、黄色い花が開く来年三月上旬ごろをめどに地域の銘菓として販売にこぎ着けたいという。
ミツマタの観光資源化を進めているのは、昨秋に立ち上げられた、地元の観光関係者や住民、町の観光協会や商工会などでつくる「みつまた里づくり委員会」。
丹沢湖商店振興会の高橋春男さん(61)は、シカの不嗜好(しこう)植物とされているミツマタを周辺地域に咲かせようと、二年以上前から種まきなどを始めていた。里づくりをPRするため、高橋さんは「ここでしか買えない銘菓を作りたい」と、今年四月に町内二カ所の和菓子店にミツマタをモチーフにした和菓子の製造を依頼した。
このうち、同町岸にある創業一九三四年の和菓子店「松月堂」が十一月下旬に試作品を完成させた。こしあんを包んだ白あんの上に、ミツマタの花をかたどった黄色の練り切りをあしらった華やかでかわいらしい上生菓子だ。
現在は、丹沢湖から西丹沢自然教室までの県道沿いや同教室の奥地、大滝沢の林道などでミツマタの白い花芽が見ごろ。開花の時期をめどに、周辺地域の丹沢湖記念館や町営の温泉施設「ぶなの湯」などで販売したいという。