2月18日8時33分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
ライオンは、洗濯用液体洗剤「トップ クリアリキッド」が18日から発売されるのに合わせて放送するCMに、タレントの松浦亜弥を起用する。
洗濯用洗剤市場では近年、ドラム型洗濯機の普及などで、液体型の需要が急成長。また、若者を中心に、においなどの見えない汚れに対する意識も高まっている。日用品大手各社が高機能の液体洗剤を相次いで投入するなど競争が激しさを増す中、ライオンは、主婦のイメージに合ったタレントではなく、「あやや」“ブランド”を投入する。
繊維の奥に残りがちなタンパク質や脂質に着目。分解酵素と皮脂分散性の高い界面活性剤による洗浄力を高めた。店頭想定価格は348円(容量は1キロ)でCMでは、あややが清潔感あふれる白い衣装で登場し、「私、汚れてました…」とインパクトのあるメッセージを残す。
同社が主婦2000人を対象に行った直近の意識調査では、4割強が「一度着た衣類は洗濯する」と回答。また、昨年の洗濯洗剤市場では、全体の6割強を占める粉末型が前年割れを示す一方、液体は30%増となり市場全体を前年並みに下支えした。ドラム式洗濯機の普及で、溶けやすいイメージがある液体型への支持が広がっているようだ。
これを受けて、花王も1月下旬から、洗うたびに汚れやにおいを元から分解除去する液体洗剤「アタック バイオジェル」を発売。P&Gも今月下旬に、風呂の残り湯に対する抗菌防臭機能など、節水効果もうたった「アリエール イオンパワージェル」をリニューアルする。
ライオンは昨年、低価格ブランドの「消臭ブルーダイヤ」の内容量を1.1キロから1.0キロに減らす実質値上げで、売り上げが10~15%減少した。粉末タイプの「トップ」も3月から同様の措置を下すため減少が予想される。藤重貞慶社長は「09年は数量の伸びは望めない」としたうえで、「単価アップにより、洗剤などハウスホールド事業を前年比2%程度の微増で維持する」としており、今回のような高付加価値商品の展開に力を入れる。