2月19日14時2分配信 毎日新聞
◇事故でポンプ交換も温泉量激減 揚湯管内部でサビ詰まりか、除去工事の見通しなく
温泉をくみ上げるポンプの事故で、昨年11月から温泉施設を休止している喜多方市熱塩加納町の保健福祉センター「夢の森」で、営業再開が遅れている。ポンプを交換したものの、温泉量が激減したため。鉄製の揚湯管の内部にサビが詰まっているとみられるが、除去工事の見通しは立っていない。
市によると、事故は昨年11月25日に発生。メンテナンスのため、地下約200メートル付近にあるポンプを引き上げようとしたが失敗し、地下300メートル付近まで落ちた。その後、ポンプ上部のパイプ内で約10メートルにわたり鉄サビなどの異物が詰まっているのが判明し、除去した上で、今年1月14日にようやくポンプを引き上げた。
別のポンプに交換しくみ上げを再開したが、今度は湯量が極端に減少。通常は毎分80リットルくみ上げているが、現在は20リットル程度で、営業に必要な湯量の半分にも満たないという。
同市は主泉源の地下1キロ付近で、揚湯管の内部に鉄サビが入り、詰まっていると推測。今後、サビの堆積(たいせき)場所を特定し、除去方法や費用などを検討していく。市熱塩加納総合支所は「できるだけ早く復旧したい」と話す。
夢の森の温泉は、源泉名「大森温泉」で、同市の熱塩温泉と同じく、塩辛くて熱いお湯が特徴。92年に「ふるさと創生1億円」で地下1・5キロの井戸を掘り、94年8月にオープンした。源泉かけ流しの露天風呂が人気で、昨年度は約8万4000人が利用した。【太田穣】