静岡大は22日、40代の男性准教授を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分した理由として、指導する大学院の研究室の女子学生にセクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)をしたと説明した。興直孝学長は「国立大教員の自覚と責任感に欠けるもので、深くおわびする」とのコメントを出した。
静岡大によると、准教授は06年12月、研究室の学生と茨城県の研究施設を訪れた際、パソコンに向かっていた女子学生の頭をなでたという。07年1月にも、この女子学生のほか、男子学生2人と同じ施設を訪問。宿泊施設での飲み会後の深夜、1人で浴室に向かった女子学生の後をつけ、脱衣所に入ったという。女子学生が08年9月、学部長に相談した。
大学側の聞き取りに対し、准教授は「頭をなでたことはセクハラと思っていない。脱衣所にはふざけて入った。軽率だった」と話しているという。
一方、静岡大は、女子学生が訴えてから准教授を処分するまで1年以上かかった点について「慎重な調査が必要で、遅いとは思っていない」と説明した。静岡大によると、00年以降、セクハラで懲戒処分を受けた教員は、今回を含めて計5人になるという。【山田毅】