震災関連の公文書30点展示 北淡震災記念公園

阪神・淡路大震災から来年で15年を迎えるのに合わせ、兵庫県公館県政資料館が収蔵する震災関連公文書の一部が、淡路市小倉の北淡震災記念公園野島断層保存館で展示されている。地震発生直後に自治体が県へ知らせた被害状況報告書や、災害対策本部が市民へ配布した生活情報のチラシなど、当時の生々しい資料の数々が並んでいる。11月15日まで。(高森 亮)

 県政資料館では、県が作成・取得した公文書を保存しており、収蔵資料を広く見てもらおうと年1回、県内各地で巡回展示をしている。今回は来年に震災15年を迎えることから、同館が保有する震災関連公文書2万点の中から淡路島に関係する資料の一部を初めて公開することにした。

 展示品は、震災から1週間後の旧一宮町内のパネル写真や、島内の被害状況報告書、農林水産被害状況の資料など約30点。地震発生直後の午前7時に旧五色町が県へ送った被害状況報告では、全壊住宅3棟、一部破損1棟と手書きで書かれており、当時の緊迫した様子を感じ取ることができる。

 発生から1カ月後の避難場所一覧では、旧五色町より北側のすべての自治体で避難所が開設されている状況が分かる。中でも旧北淡町では10カ所の避難所に860人もの人たちが避難。がれきの搬出時間や体育館に設置されたお風呂の入浴時間などを知らせる北淡町災害対策本部発行のチラシからは、被災者の暮らしぶりがうかがえる。

 県文書課の担当者は「個人情報の問題で公開できないものも多いため展示は一部だが、資料から当時の状況を感じてほしい」と話している。

 午前9時~午後5時。入館料700円、高校・中学生300円、小学生250円。同保存館TEL0799・82・3020

(2009/10/27 09:15)

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