広島少年院(東広島市)の暴行事件で、特別公務員暴行陵虐罪に問われた元法務教官野畑勝也被告(32)=熊本県長洲町=の求刑公判が6日、広島地裁であり、検察側は懲役3年を求刑した。弁護側は執行猶予を求め、結審した。
検察側は論告で「強い立場を利用し、少年らに繰り返し精神的苦痛を与え、少年矯正の信頼も失墜させた」と指摘。「体毛を口に押しつけるなどの屈辱感を与える行為は処遇の延長線上とは到底認められない」と述べた。
弁護側は「荒れた院内を改善するため厳しく指導しようとした結果」と主張。ほかの教官が暴行を依頼するなど野畑被告に少年の処遇が集中していたとし「処分の公平性から被告だけが刑事処分を受けるケースではない」と訴えた。
起訴状によると、野畑被告は昨年5月から今年3月にかけ、院内の浴室や物置で、少年にシャワーホースで首を絞めさせたりするなど少年18人に計24件の暴行を加えた疑い。