千葉県市川市のマンションで2007年3月、英会話学校講師の英国人女性リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)の遺体が見つかった事件で、大阪、千葉両府県警は10日午後、死体遺棄容疑で指名手配されていた市橋達也容疑者(30)を大阪市住之江区の大阪・南港で身柄確保し、午後8時17分、同容疑で逮捕した。死体遺棄罪の時効(3年)が迫っていた。市橋容疑者の身柄は11日午前0時45分、捜査本部がある千葉県警行徳署に移された。
捜査本部の発表によると、市橋容疑者は「弁解することは何もありません。今は話したくありません」と供述しているという。
捜査関係者によると、10日午後7時頃、フェリー会社の社員から「市橋容疑者に似た人がいる」と110番があり、捜査員が急行。沖縄行きフェリーに乗ろうとしていた男は、職務質問に「市橋です」と答え、抵抗せずに捜査員に両腕を抱えられて住之江署に任意同行された。指紋で市橋容疑者と確認し、逮捕した。市橋容疑者は新大阪駅から、午後11時45分東京着の新幹線で移送された。
調べによると、市橋容疑者は07年3月25日頃、市川市のマンション自室のベランダに置かれた浴槽に、ホーカーさんの遺体に砂をかけるなどして遺棄した疑い。
ホーカーさんの死因は窒息死とみられ、捜査本部は死亡の経緯も調べる。
翌26日、ホーカーさんが行方不明になったと英会話学校から県警船橋署に届け出があり、署員がベランダで遺体を見つけた。市橋容疑者は遺体発見前の職務質問中に逃走し、27日指名手配されていた。
今月に入り、市橋容疑者が名古屋市内の美容整形外科医院で今年10月24日に鼻の整形手術を受けていたことが判明。捜査本部は、医院で撮影された顔写真を公開し、行方を追っていた。
今年10月11日までの1年2か月間、大阪府茨木市の建設会社の寮に住み込みで働いていたことも分かり、市橋容疑者の指紋が寮の部屋から検出された。
(2009年11月11日 読売新聞)