子どもを性的な対象に描いた漫画やアニメを規制する都の青少年健全育成条例改正案について、都は改正のポイントを紹介するQ&Aを作成した。都には三月だけで、改正案への問い合わせや賛否の声が千百件以上寄せられており、二十六日から都のホームページに掲載している。
改正案は、十八歳未満の登場人物を架空の子どもであっても、性暴力を賛美したり誇張したりした作品は十八歳未満に販売しないように規制する。
都が三月の都議会に提案したが、漫画家だけでなく、一般の都民らからも「表現の自由を損なう」「役所が介入すべき問題ではない」などと、公権力による規制を懸念する声が噴出。議会側も「慎重な審議が必要」と、次回以降の都議会に賛否を先送りした。
Q&Aでは、質問の多い二十五項目を列挙。「表現の自由を侵害しないか」との問いには、「十八歳以上の方が買ったり見たりすることはこれまで通り自由です」と説明。
「シャワーシーンなどがあるものはすべて規制されるのか」という問いには、具体的な作品名を挙げながら「性交などが明確に描写された作品に限られる」とし、「『ドラえもん』のしずかちゃんの入浴シーン」「『サザエさん』のワカメちゃんのパンチラシーン」などは規制対象にならない、としている。
ほかにも「小説はなぜ対象にならないのか」には「読んだ人により、とらえ方や感じ方が千差万別。すぐにその意味が理解できるものではない」、「同人誌は対象になるのか」には「事業でなく『個人の趣味』にとどまる場合は対象にならない」などとしている。