鳥取市佐治町中の山王渓谷にある宿泊休養施設「たんぽり荘」に、露天の五右衛門風呂が完成した。体験・滞在型観光の新メニューとして活用。緑豊かな自然の中で、まき割りや風呂たき、入浴ができる。関係者は「体験観光の目玉にしたい」と期待している。
佐治町の地域資源を生かした体験・滞在型観光を推進する「五しの里さじ地域協議会」(前田正人会長)が、環境に優しい五右衛門風呂を体験メニューに加えようと企画。農林水産省の農山漁村活性化プロジェクト支援交付金を受け、鳥取市が今年2月から建築を進めていた。
五右衛門風呂は、施設裏の佐治川に面した約10平方メートルの敷地に整備。直径106センチ、深さ73センチの鉄製の釜2基を据え付け、雨よけの大きな傘を備えた。
風呂水は、近くの山王谷川の伏流水を井戸ポンプでくみ上げ、まきは梨の枝やスギなどの間伐材を利用する。移動式の五右衛門風呂も3基そろえ、近くの河原やキャンプ場でも楽しめるようにした。
体験内容は、まきを割り、まきをくべて沸かした五右衛門風呂にどっぷりつかるという設定。川のせせらぎが聞こえ、夜には自慢の星空が広がる。
施設の宿泊客も入浴が可能で、「温泉のよう」「体の芯から温まる」と好評という。
同協議会は2008年に発足。住民と連携しながら、そば打ちや農家民泊など約50の体験メニューを整備している。担当者は「自然の中で昔ながらの五右衛門風呂をたくさんの人に体験してもらいたい」と話していた。
問い合わせは電話0858(88)0177、同協議会(さじ弐拾壱内)、または電話0858(88)0666、たんぽり荘へ。