鶴岡で住宅全焼 母子?死亡

台所、風呂場激しく焼く
 25日午前3時45分頃、鶴岡市山五十川、無職三浦美江さん(57)方から出火、木造2階住宅と隣接する物置小屋の計325平方メートルを全焼し、焼け跡の住宅1階で2人の遺体が見つかった。鶴岡署は行方が分からなくなっている三浦さんと、長男の栄さん(30)とみて、26日に司法解剖し、死因や身元の特定を進める。

 発表などによると、三浦さんは栄さんと、義理の父の孫一郎さん(90)と3人暮らし。出火当時3人はいずれも就寝中で、1階の北東寝室にいたという孫一郎さんは、屋外の騒ぎに気付いて逃げて無事だった。1階台所と風呂場の燃え方が激しく、同署は詳しい出火原因を調べている。

 現場は鶴岡市中心部から南西約20キロの山あいにある集落。三浦さん方から炎が上がっているのを発見し、119番した近くの新聞販売店員女性(61)は「『バン』という破裂音がしたので驚いて外に出ると、屋根から炎が上がっていた。何度も大声で三浦さんたちに呼びかけたが返事はなく、炎と煙で近づけなかった」と話した。

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 猛火に襲われた築30年以上の木造住宅は火の回りが早かった。サイレンなどで騒然とする中、約1時間50分後に鎮火したが、2階はほぼ跡形がなかった。親族によると、日頃から三浦さんと栄さんは2階で寝ていたという。激しく燃えた台所と風呂場の間に階段があったため、捜査関係者は2人が逃げ遅れた可能性もあるとみる。遺体は階段から玄関付近にかけて見つかったが、2階から落ちた可能性があるという。

 同じ集落の女性(65)によると、三浦さんはこの春手術をしたが、知的障害者の授産施設に通う栄さんと仲良く買い物に出かけていた。近くに住む自営業女性(37)は「しっかりしたお母さんで、猫を飼ったり、庭に花を植えたり楽しんでいたのに」と表情を曇らせた。

(2010年5月26日 読売新聞)

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