堺市南区の自宅で1歳の長女にシャワーで熱湯をかけ、大やけどを負わせたとして、傷害容疑で逮捕された母親の無職井上夢麻(ゆま)容疑者(23)が「大きな病院だと虐待を疑われると思い、事件直後は個人病院を受診した」などと供述していることがわかった。3か所回った個人病院ではいずれも「症状が重く、手に負えない」と言われ、4か所目に受診した総合病院が通報した。大阪地検堺支部は1日、井上容疑者を傷害罪で起訴した。
起訴状によると、井上容疑者は4月9日夜、自宅風呂場で、長女の尻や背中などにシャワーで熱湯をかけ、やけどを負わせた、とされる。井上容疑者は「お尻の汚れを洗う時に泣いたので、カッとして、シャワーのノブを最高温度に回して熱湯をかけた」と供述。給湯システムの性能から湯は60度以上あったとみられ、長女は重傷で約1か月間、入院した。
捜査関係者の話では、同居の母親(42)が4月10日朝、やけどに気付き、井上容疑者は個人病院3か所に長女を連れて行った。どこも「大きな病院に」と勧め、同13日に個人医院の紹介状で府南部の総合病院を受診、虐待が発覚した。井上容疑者は「手がかかり、産後からかわいいと思えなかった」とも供述しているという。
(2010年6月2日 読売新聞)