11月18日6時12分配信 河北新報
仙台・宮城デスティネーションキャンペーン(DC)が始まった10月、宮城県内の主な宿泊施設に泊まった客が前年同期より10.3%減ったことが17日、DC推進協議会の調査で分かった。県内を訪れた観光客も横ばい。岩手・宮城内陸地震の風評被害と景気低迷が原因とみられ、観光関係者は「DC効果が打ち消された」と落胆している。
調査は宿泊施設30カ所、観光施設など65カ所を対象に実施、結果は表の通り。宿泊客は17万359人で、前年同期の18万9820人から2万人近く減らした。
観光客の入り込みも302万5531人で、0.5%の微増にとどまった。地域別では、県南と三陸が9.2%増、5.2%増と好調だったが、地震の震源地に近い県北は4.9%減と落ち込んだ。
苦戦している県北・登米市の担当者は「DC関連のイベントは来場者が多いが、既存の観光地の客は伸びていない」と渋い表情。仙台市の秋保温泉旅館組合の佐藤勘三郎組合長(47)は「地震の影響が長引いているほか、ガソリン高が響いた。巻き返しを図りたい」と気を引き締める。
協議会会長の村井嘉浩知事は「全国的に観光客が低調で、その中では健闘している。DCがなければもっと減っていた」との談話を発表。協議会はDCを締めくくる12月に向け、SENDAI光のページェントや温泉など、冬の風物詩のPRを首都圏のターミナル駅などで強める方針だ。
協議会副会長の梅原克彦仙台市長は「11月に入ってからは、市内の宿泊者は持ち直しているので、これからの盛り返しに期待したい」と話している。