訃報 俵萠子さん77歳=評論家 乳がんも前向きに生き

12月1日19時51分配信 毎日新聞

 評論家で作家の俵萠子(たわら・もえこ)さんが11月27日、肺炎のため死去した。77歳。葬儀は近親者で済ませた。後日、お別れの会を開く予定。

 大阪市生まれ。53年に大阪外国語大フランス語学科を卒業し、産経新聞社へ入社。女性記者の草分けとして、一男一女を育てながら、育児や教育の記事を執筆した。65年に退社後、女性、家庭、教育問題などをテーマに評論家や作家として活躍、女性の視点から社会のあるべき姿を訴えた。81~85年には、日本初の準公選で東京都中野区教育委員を務めた。

 主な著書に「ママ、日曜でありがとう」「俵萠子の教育委員日記」「四十代の幸福」「人生に定年はない」「子どもの世話にならずに死ぬ方法」などがある。

 96年に乳がんが見つかり、右乳房の切除手術を受けた。01年、「がんで乳房を失っても、皆で一緒に温泉に入ろう」と呼びかけ、「1・2の3で温泉に入る会」を設立。前向きに生きる俵さんの姿は、患者の目標になった。全国のがん患者団体が集まるNPO「がん患者団体支援機構」の理事長も務めた。95年に父の故郷である群馬県の赤城山山麓(さんろく)に「俵萠子美術館」を構え、地域の文化活動にも積極的に取り組んだ。

 今年5月、肺がんの手術を受けた際、間質性肺炎が見つかり、8月から入院していた。

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