<地熱発電>熱水利用で2347万キロワットの発電可能に

12月1日22時4分配信 毎日新聞

 火山帯地下にある熱水を地熱発電に活用すれば、現在国内にある全発電所の約1割に当たる2347万キロワットの電力を生み出せることが、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の調査で分かった。国立公園の開発規制地域にある約8割を除いても、原発3基相当の372万キロワットが開発可能という。

 経済産業省が発足させた地熱発電研究会で1日、報告された。全国約40万地点を観測し熱水分布を推定した結果、発電に使える150度以上の熱水が5074平方キロメートルに分布し、発電可能量は従来の試算の1.5倍の3186万キロワット相当と判明した。誤差を修正した2347万キロワットが開発可能で、インドネシアに次ぐ世界2位の地熱資源国という。

 53~120度の熱水が使える「温泉発電」の新技術が実用化すれば、さらに833万キロワット相当も開発可能という。現在の地熱発電容量は約53万キロワットで90年代からほぼ横ばい。探査などで1キロワット当たり50万~75万円といわれる初期投資や、国立公園を損なわない掘削法の開発、温泉業界の理解などが課題という。【山田大輔】

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