「エステに行くお金はない」 20~30歳代が始める「ホームエステ」

12月6日16時5分配信 J-CASTニュース

 キレイになりたいけれど、エステに行くお金はない。そんな女性の注目を集めているのが、「ホームエステ」だ。本物のエステに行くには1回あたり数万円かかるうえ、通い続けなければ意味がない。それならば、エステ1回分のお金で、繰り返し使える美顔器を買おう、といのだ。

■夜間専用タイプは、店によっては品切れ

 ホームエステとは、家庭用に市販されている美容器具や化粧品を使い、エステサロンで受けられるようなケアを自宅でするというもの。温かい蒸気を顔にあてて保湿する「スチーマー」や、微弱電流でイオン化した成分を肌の奥に浸透させる「イオン導入」といった「美顔器」が有名だ。家電量販店で購入することができ、「ホームエステ」や「セルフエステ」と掲げた売り場が設けられている。

 東京・渋谷にある「ヤマダ電機 LABI渋谷」で、ホームエステ商品を扱う売り場はこの秋から拡大した。ヤマダ電機広報担当者は、こう話す。

  「一昔前は、美顔器というと中高年の女性が使うイメージがありましたが、最近は20~30歳代の女性に売れています。価格は3万円前後が中心で、初期投資はかかりますが何回でも使うことができ、一見、美顔器とは思えないような、かわいらしいデザインが増えたのも好評です」

 パナソニックは、2008年9月1日にイオンスチーマー「ナノケア」の新製品を発売した。温かいスチームと、肌を冷やすミストが出て、「ハリ・弾力」「クリア肌」「皮脂ケア」の3つのコースが選べる。また、今年から「アロマ機能」を新たにつけた。アロマオイルを専用皿に入れると、スチームを受けながらアロマが香るという仕組みで、癒し効果がある。

 このシリーズが発売されたのは04年だ。それ以降、毎年リニューアルを重ねている。初年度の出荷台数は15万台だったが、05年度20万台、06年度34万台、07年度38万台と年々増えている。08年度は40万台を見込んでいる。

 また08年11月に、寝ている間に肌を潤す「ナイトスチーマー」を発売した。夜間専用タイプは初めて。働く女性や主婦といった忙しい女性に売れていて、月産台数は1万台と見込んでいたが、広報担当者は「予想を上回り、2倍出ている。店によっては品切れしている」という。

  「消費全体が落ち込んでいる中、スチーマー関連商品の08年11月の出荷台数は、前年同月比130%と伸びています。エステに使っていたお金が、ホームエステに流れているのではないでしょうか」

■ホームエステ関連商品は全体的に伸びている

 美顔器を使っている女性が投稿サイトやブログに、「毛穴もスッキリするし手触りもしっとりするし、乾燥対策には欠かせなくなりました」「きれいになりそうな感じ」などと書き込んでいる。

 積極にホームエステに取り組んでいるという、都内の会社に勤める20代女性は、

  「数年前に比べて、最近の美顔器は進化していて、エステティシャンのテクニックいらずになってきています。自分でやるのは危険だと言う人もいますが、自分が一番、肌の状態をわかっているので、他人に任せるより安心です。それに、マッサージをして肌がやわらかくなっていくと、なんだか心もほぐれるんですよ。どんなに忙しくても、欠かせません」

 もっと手軽に、キレイになりたいという女性に人気なのが、美容目的の「入浴」だ。血行がよくなって毛穴から余分な皮脂や老廃物が排出され、リラックス効果もある。「たまのエステより、毎日お風呂に入る方がお肌にいい」と言う人もいる。

 女性客が多い「東急ハンズ銀座店」は、入浴剤やバス関連商品、エステツールなどを他店よりも充実させている。入浴剤は、およそ1000アイテムを揃える。発汗を促し、毒素を排出する「デトックス」効果があると言われる「ゲルマニウム」や「とうがらし」入りが人気だ。また、「プラセンタ」「ヒアルロン酸」「コラーゲン」といった化粧品の原料が入った入浴剤も売れている。1個あたり100~300円(分封タイプ)が中心だ。色々試したいと、30個買っていく人もいる。

 入浴中に使い、小顔効果が期待できる「アルミ製の顔用マスク」や、顔の上を転がしてマッサージする「ローラー状のエステツール」なども売れている。5階ヘルス&ビューティ売り場の責任者、内山雅章さんは、

  「ホームエステ関連商品は全体的に伸びていますが、高くて、めったに行けないエステより、自分でできることを毎日続ける方が効果的だと考える人が増えているのではないでしょうか」

と話している。

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