ガソリン価格の値下がりが続き、関東でもレギュラーガソリンが100円を切るところが現れた。さらに、100円切りの先駆けとなった高知市では、92円のスタンドも現れた。
ついに首都圏でも、ガソリン価格が100円を切る店が現れた。
千葉市の国道16号線沿いにあるガソリンスタンドでは、レギュラーガソリンを99円で販売していた。
街のドライバーは、「安ければ助かります」、「いいんじゃないですか。原油が下がっているんだから」、「1年中こうであってほしい。この間みたいに上がらないでほしい」などと話した。
99円の看板を掲げていたのは、1店だけでなかった。
99円の看板が並んでいるのは、ガソリン価格の激戦地帯の1つ、千葉北インター付近。
エネ研・石油情報センターの調べによると、全国平均でレギュラーガソリンが100円を切ったのは、2005年以来だという。
そして、レギュラーガソリン100円切りの先駆けとなった高知市では、レギュラーガソリン価格が92円で売られていた。
高知市南の御座のスタンドでは、レギュラーガソリンを102円で販売していると思いきや、何とそこから10円値引きし、92円で販売し、ついに80円台も見えてきた。
高知の人は「ありがたいですけれども、経営者には申し訳ないような気もいたします」、「価格が下がるまでは、県外の方が20~30円安かったので。下がるのが遅かったので、しばらくは安いままで走っていただけたら」などと話した。
高知では、あるガソリンスタンドのリニューアルセールにより、過当競争になり、ガソリン価格の値崩れに歯止めがかからなくなっていた。
ガソリンスタンドの人は、「92円の価格はちょっと異常ですし、こちらとしては死活問題になってくる。今の時点では、どこの店もかなり限界ではないのか」と話した。
ある石油元売り大手の関係者は、小売店で100円を切る価格は非常に厳しい状況ではないかと指摘、さらに、ガソリン価格が下げても、需要が思うように伸びないことで悪循環が起きているという。
客は1円でも安いガソリンを求めるものの、99円にした4軒のスタンドのうち、行列が見られたのは1店だけだった。
それも待っている車は、数台だけだった。
しかし、ガソリン価格の下落は思わぬところに恩恵をもたらしていた。
総合レジャー施設店「ラウンドワン南砂店」では、ガソリン価格の急騰で、10月は前年比で1割近くも客足が落ちていた。
しかし、最近のガソリン価格の低下によって、一気に客足が戻ってきたという。
ラウンドワンの田邊恵昭さんは「わたしたちの店舗なんですが、9割り以上がロードサイド。車で行かないと行きにくいような場所に立地しているんですね。ですから、ガソリン価には、非常にユーザーの方は敏感になっていると。直近2カ月ぐらいで、ガソリン価格がだいぶ安くなってきて、11月からの売り上げはかなり上がってきている」と話した。
車での移動も多い国内旅行はどうなのか。
那須観光協会の伊藤裕美さんは「(観光客は)あまり増えてないです。ガソリンの方がだいぶ値下がってきているので、那須高原の方に来ていただけたらと思います。ただ、(車の)台数が多くはなっていないと思うんですよね。正直」と話した。
首都圏近郊の観光地には、目立った影響はないという。
大手代理店JTBの三ツ橋 明子マネジャーは「国内旅行に出かける方は平年並みで、ガソリン価格は下がっていて、車で出かける方は最終的には多いのかなと。そうすると国内旅行はそこそこいいのではないかと。車で行ける温泉というのが人気になるのではないかなと」と語った。
[9日19時57分更新]