キャビア:奥飛騨の新名物に 温泉でチョウザメ養殖 ホテルでは刺し身も人気 /岐阜

12月11日13時1分配信 毎日新聞

 高山市奥飛騨温泉郷新平湯の「奥飛騨ガーデンホテル 焼岳」社長の石田清一さん(56)が、天然温泉を使ったチョウザメの飼育に成功した。水温を14度前後に保った養殖池で、キャビア(卵)を持つ成魚から稚魚まで約1250匹を飼育している。石田さんは「世界三大珍味の一つとされるキャビア料理を奥飛騨の新名物にしたい」と張り切っている。
 かつてアユ養殖を手掛けていた石田さんは今年9月初めから、ホテル近くの高原川沿いにある使わなくなった26面の養殖池(約2ヘクタール)を活用し、チョウザメの飼育に取り組んだ。チョウザメは水温が6度以下になると死んでしまうが、養殖池には近くでわく36度の源泉が流れ込むため、加熱しないでも養殖池の水温は最適になった。
 チョウザメは茨城県つくば市のバルブ会社からキャビアを持つ25年ものの成魚200匹を買い入れ、特製の運搬車と水槽を使って奥飛騨温泉郷に運び込んだ。このバルブ会社は1985年に開かれた国際科学技術博覧会(つくば85)に出展されたロシア館から展示物のチョウザメを買い取っていた。
 さらに、高山市朝日町の建設会社が4年前から育てていた300匹を加え、稚魚も数を増やした。現在では、チョウザメの一部を宿泊客の観賞用としてホテル敷地内の池でも育てている。
 チョウザメが成魚になるのは最低7年かかる。しかし、最初に茨城県から仕入れた成魚からはキャビアが採れる。このため、ホテルのレストランでは、既にキャビアとチョウザメの刺し身などをメニューに入れており、「正真正銘の本物」として人気を集めているという。【奈良正臣】

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