12月12日22時57分配信 読売新聞
東京・渋谷の温泉施設「SHIESPA(シエスパ)」の別棟が昨年6月爆発し、8人が死傷した業務上過失致死傷事件で、施設の点検業者が、運営会社の「ユニマット不動産」にメタンガスの検知器を設置するよう申し込んだにもかかわらず、同社の担当者が費用がかさむことを理由に受け入れなかったことが警視庁の調べでわかった。
業務上過失致死傷容疑で12日に書類送検されたのは大成建設のプロジェクトリーダー角田宜彦容疑者(50)と、ユニマット不動産の取締役菅原啓之(46)と社員浅賀郁夫(41)の両容疑者。
捜査関係者によると、検知器の費用は約30万円だったが、同社の現場担当者レベルで「高額過ぎて役員の決裁を受けられない」と判断、設置を見送っていたという。
同庁では、角田容疑者が適切な保守管理情報をユニマット不動産に伝えなかったことが重大な過失にあたるとみているが、同社が危険性を認識しながら費用を惜しんだことも事故につながったとみている。