街頭犯罪が昨年より減少確実 田辺、白浜署管内(和歌山)

12月16日17時3分配信 紀伊民報

 田辺、白浜両署管内で今年発生した街頭犯罪が大きく減少し、昨年に比べて減ることがほぼ確実になった。不安視していた高速道路南伸の影響もいまのところ出ておらず、両署は「住民ボランティアの協力が大きい」と分析。今後も啓発や対策に力を入れ、さらなる減少につなげたい考えだ。
 田辺署管内で1~11月に発生した街頭犯罪は649件で、昨年同期比で173件(21%)減った。ほとんどが前年比で増加した昨年とは一変し、多くが減少に転じた。
 特に多かった自転車盗でも143件で113件減少した。このほか、ひったくりが36件減の2件、自販機狙いは24件減の2件だった。侵入盗は153件と比較的多いが、前年同期比で17件(10%)減っている。
 同署生活安全刑事課は「自主防犯組織が目を光らせてくれている効果が出た。街頭啓発も多く実施したし、自治体や田辺青少年補導センターがパトロールしてくれることも大きい」と分析している。現在は、年末年始の特別警戒期間(1日~1月10日)中で、「今後も気を抜かず、犯罪抑止に努めたい」と話している。
 白浜署管内の街頭犯罪は1~11月で93件。前年同期比で38件の減少。検挙率は29%で、6・1ポイント増加した。目立った減少は器物損壊で31件減の27件など。忍び込み、恐喝、ひったくり、強制わいせつはゼロだった。
 同署は今夏、署員とボランティアが白良浜で夜間パトロールをしたほか、置引対策として白浜温泉旅館協同組合と協力し、注意を呼び掛けるチラシを1万枚作成。宿泊施設の全客室に備え付けて啓発するなど対策を強化していた。
 同署生活安全刑事課は「自分たちのまちは自分で守る、という意識を多くの住民が持ってくれていることが数字に結びついた」と話している。
 今後については、「夏場の対策は結果につながる。来年も新しい対策を考えていく」と気を引き締めている。
 県内全体でも街頭犯罪は減っている。今年1~11月の総数は7690件で、前年同期比で644件の減少。14警察署のうち、増加は和歌山東、和歌山北、湯浅、新宮の4署だけ。

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