12月19日16時1分配信 毎日新聞
県は18日、竹田市営の温泉宿泊施設「荻の里温泉」で今月12日に昼夕食を食べた利用客少なくとも50人が下痢やおう吐などのノロウイルス食中毒症状を発症したと発表した。いずれも軽症というが、市は、この日も発表せず、食中毒情報をキャッチした県が立ち入り調査に入った16日も、3団体22人に夕食を出していることが判明。県の発表後の被害者対応も不十分で、公的機関としての姿勢が問われそうだ。
12日は約200人が利用。13日利用者約270人の中にも発症者がいるとの情報もあり、被害は3ケタに広がる可能性も。14日に発症者情報はなく、15日は通常休業日。16日の調査後、17日は自主休業。県は18~20日の3日間の営業停止命令を出した。
県の発表直後、施設には誰もおらず発症者の問い合わせなどに対応できない状態。本紙記者の指摘で、同日夕から電話対応を始めた。
施設は旧荻町営として99年12月オープン。05年の合併に伴って市営となり、06年3月から市100%出資の「荻町まちおこし有限会社」を指定管理者にしている。
市荻総合支所の菅良二支所長は「対応は遅かったかもしれない。患者の方々に不安を与え、おわび申し上げる」。同館の菅八郎支配人は「県調査時は『おう吐・下痢した人がいる』としか聞いてなかった。16日は既に宿泊客がおり、夕食を出してしまった」と話している。【梅山崇】