12月25日17時16分配信 紀伊民報
円高と韓国通貨ウォン安の影響を受け、田辺市内の旅行代理店で韓国への旅行が人気を集めている。低価格ツアーを中心に女性客が増えているという。一方、紀南地方への韓国人旅行は低調。人気を集めていた温泉やゴルフを行程に盛り込んだツアーのキャンセルが相次いでいる。
田辺市稲成町の日旅サービスパビリオンシティ田辺営業所によると、今年初めごろ100ウォンは12円ほどで取引されていたが、今月に入り半値の6円程度まで低下。そのため韓国旅行の人気が高まっている。
同営業所で申し込みが多いのは、韓国・ソウル市のホテルに送迎する1泊2日で約2万5000円の商品。3万円を切って注文が活発になった。ブランド商品の買い物を目的にする女性客が多く、12月から予約が増えているという。
田辺市下屋敷町の龍神観光は、今年高騰した燃油サーチャージの1月改定に期待を寄せる。韓国に航空機を利用して行くには12月で1人片道航空運賃のほかに燃油サーチャージとして4000円がかかっていたが、1月6日から同2500円に減る。ウォン安に伴う韓国旅行がさらに伸びると見込んでいる。
一方、紀南地方の観光地はウォン安で韓国人旅行客が減っているようだ。白浜町のホテル「シーモア」では海外からの誘客に取り組み、多い月で韓国から500~600人の利用があるという。しかし、ウォン安の影響で10月ぐらいから韓国からのツアーのキャンセルが相次ぎ、11月からは1カ月当たり100人を割り込んでいるという。
韓国からのツアーは関空から白浜温泉、勝浦温泉、伊勢、鳥羽への行程が多く、シーモアでは温泉と日本食が喜ばれているという。担当者は「韓国からのツアーは年明けも厳しい状況が続きそうだ」と予想する。
白浜温泉の別のホテルでは、ゴルフをメーンにしたツアーを売りに昨年春から海外からの誘客に力を入れ、韓国から多い月で300~400人の利用客があった。しかし、9月から減り始め、11月から利用客がほとんどゼロに近いという。