1月14日17時1分配信 毎日新聞
串間市は13日開いた臨時市議会で、同市本城の「串間温泉いこいの里」を運営する第三セクター「串間リフレッシュビレッジ」(社長・鈴木重格市長、資本金5100万円)への公的資金1027万円余りの投入と、市の保有する540株(額面2700万円)を同社へ無償譲渡する2議案を提案した。資本金を上回る赤字を抱えた同社を解散するための措置で、議会は市長の責任問題などを巡り、深夜まで紛糾した。
市は提案が通れば、3月末の指定管理者契約期限切れとともに同社を解散し、新たに民間企業による経営引き継ぎを模索することにしている。
同温泉はふるさと創生資金で掘削され96年から営業を始めたが、単年度黒字を計上したのは数年だけで、昨年3月末決算では累積赤字が資本金を上回る5276万円にふくらみ、今年3月末でさらに1300万円増える見通し。市側は三セクによる運営を断念し、残りの累積債務を株の精算でまかなう方針。
議会の冒頭で鈴木市長は「経営難に陥った責任を感じている」と陳謝したうえで「温泉は市民の大切な財産。新たな民間活力を導入するために債務をできるだけ減らして引き継ぎたい」と提案理由を説明したが、公的資金投入を巡り、市長の責任を問う声が相次いだ。【塩満温】