1月23日7時7分配信 西日本新聞
国の方針で閉館した姶良町の厚生年金福祉施設「サンピアあいら」が4月1日、新たな宿泊施設に生まれ変わる。土地と建物を買い取ったビル管理会社「ダイケングループ」(東京)が、名称を「アイル・アイラ」に変え、温泉付きホテルとして営業する。
サンピアは社会保険庁が厚生年金を運用し、1984年に建設。財団法人・厚生年金事業振興団が管理・運営していた。しかし、全国の同様の施設について「赤字施設が多く、年金や保険料の無駄遣い」との批判が出たため、国が2005年、全国的に廃止を決定。サンピアも07年10月に閉館していた。
施設は3階建てで、面積約3万3600平方メートル。宿泊室48室や天然温泉、結婚式場、屋外プールなどがあり、天然温泉の人気などから、02‐05年度に黒字を計上するなど経営は順調だった。閉館後、敷地内の土壌から法的基準を超える鉛やダイオキシンが検出されたこともあったが、除去され、08年10月の入札で同グループが3億円で落札した。
同グループは、施設を引き継ぐが、結婚式場と屋外のスポーツ施設については「黒字の見通しが立たない」として当面営業を見送り、7月ごろまでに最終的な判断をする方針。初年度の営業目標はサンピア閉館時のレベルを想定。年間利用者30万人、売上高3億6000万円を見込んでいる。正社員10人程度とパート約40人を地元で雇用する。
同グループは「県外からの観光客や地元の日帰り客を中心に、今後も黒字が見込める。温泉を生かし、姶良地域の観光の核となるホテルを目指したい」と話している。