<産総研>子どもの事故データベース化、初の検索ソフト開発

2月3日15時1分配信 毎日新聞

 過去の子どもの事故データをもとに、年齢や発達段階、活動場所を入力すると、体のどの部位にけがをしやすいか簡単に検索できる世界初のソフトウエア「身体地図情報システム」を、産業技術総合研究所(東京都江東区)の研究グループが開発した。11日からインターネットで無料公開する。同研究所デジタルヒューマン研究センターの西田佳史チーム長は「子どもの事故防止や、適切な治療に活用してもらいたい」と話している。

 システムに、子どもの性別、年齢、「寝返りができる」「はいはいができる」「歩行できる」などの発達段階、公園や風呂など活動場所などを入力すると、子どもの全身画像にけがをしやすい部位が赤く表示される。

 研究グループは、地図を使って位置や空間に関する情報を表示させる国土地理院の「地理情報システム」の仕組みを応用。子どもの体を「地図」に見立て、国立成育医療センター(東京都世田谷区)の協力で得た2543件の子どものけがのデータを組み合わせた。

 このシステムを使えば、条件によってけがをしやすい部位や原因が分析でき、子どもの遊具などの設計に活用できる。また、けがをした子ども自身が症状を説明できない場合、けがの部位を推測し、適切な治療ができる。

 西田さんは、「1歳以上の子どもの死亡原因の1位は不慮の事故。このデータベースを共有し、子どもが使うもののデザインや設計に役立ててほしい」と話す。システムはホームページ(http://www.cipec.jp/#/project/)で公開される。【石塚孝志】

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