2月2日14時50分配信 毎日新聞
群馬・長野県境の浅間山で2日未明に起きた小規模噴火で、両県のほか、埼玉、千葉、神奈川県や東京都内でも降灰が観測された。しかし、噴火が小規模だったうえ、農閑期に入っており、農作物への被害は出ていないという。
この日は北西の風が吹いており、浅間山の南東方向に当たる長野県軽井沢町では未明から、JR軽井沢駅周辺を中心に若干の降灰があり、道路や車の屋根がうっすらと白く覆われた。発生直後、住民から町に「地響きがしたが、噴火したのか」との問い合わせが相次いだ。町は非常配備態勢を取り、徹夜で被害状況を調査したが、今のところ噴石などによる家屋への被害は確認されていないという。
入山規制に伴い、軽井沢町から群馬県の万座温泉、白根山方面へと上信越高原国立公園を縦走している「浅間-白根火山ルート鬼押ハイウェー」などが通行止めになった。
また、長野県は2日午前、浅間山噴火警戒連絡本部の連絡会議を開催し、各部局の防災担当者約40人が情報確認に追われた。同県警本部も同日までに災害警備連絡室を設置し、小諸、佐久、軽井沢の3署で情報収集に当たったが、人的被害などはなく、地元の学校も通常通りの授業をしているという。
軽井沢町はキャベツや、レタス、白菜作りが盛んだが、作付けを始めるのは4月中旬以降。同町大日向の農業、坂本レエ子さん(73)は「寝ていたら、ゴーという音と共に揺れがあり、窓ガラスが少し鳴った。外に出たが降灰などはなかった。農閑期だから作物への被害もない」とホッとしていた。
また、風下に当たる群馬県下仁田町などでも降灰があったが、特産の下仁田ネギは収穫期を過ぎており、今のところ大きな農業被害などはないという。【藤澤正和】