2月10日7時7分配信 西日本新聞
由布院温泉観光協会などでつくる県有害鳥獣商品化推進協議会が、試験販売したシカ肉料理の評判を消費者に聞いたところ、8割超が「おいしい」と回答した。シカ肉の商品価値を高めることで捕獲を促し、農林業の鳥獣被害を減らす取り組みに弾みがつきそうだ。
協議会はシカ肉の加工品や料理を商品化する可能性を探るため、試作品を開発。昨年11、12月、由布市湯布院の旅館や店舗など7店で販売した。試食した人にアンケートしたところ、ソーセージやハムなど加工品で60人、ステーキやすしなど料理で322人から回答を得た。
「おいしい」「大変おいしい」と答えたのは料理が80.4%で、加工品では100%。シカ肉のイメージについては、料理、加工品ともに「良くなった」が最も多く、5割以上を占めた。
値段について尋ねたところ、料理(2500円)では「普通」(22.では「高い」(43.3%)が最も多く、「安い」(10%)を上回った。ハムは100グラム当たり1100円で、一般的なハムの5倍の値段だったという。
また、料理の食感(複数回答)は「さっぱりしている」(56.5%)が最も多く、「やわらかい」(48.8%)が続いた。「香りが強い」(3.4%)の回答は少なかった。シカ肉はかたく、臭いというマイナスイメージを調理技術で克服した格好となった。
同協議会は「商品化の道が開けた。おいしさはもちろん、赤みの濃い色合いや珍しさで販売は好調だった。良質なシカ肉の安定供給には狩猟者らとの連携が欠かせず、着実な課題解消が求められる」と総括した。