2月24日10時6分配信 琉球新報
JAおきなわ(伊波栄雄理事長)は21日までに、宜野湾市大山に所有する複合施設内にある温泉施設「JA天然温泉アロマ」について、4月をめどに営業を停止することを決めた。JAの完全子会社で温泉を運営する「コミュニティーヴィレッジ」の経営悪化による会社清算に伴う判断。複合施設内の園芸店も既に営業を停止しており、JAは「地域住民が温泉を引き続き利用できること」を前提に、一括または分割で複合施設売却の作業を加速させる方針だ。
複合施設「エデンぎのわん」は、1997年に宜野湾市農協が建設。敷地面積は2万4243平方メートル、約500台の駐車場を備える。しかし、園芸店の売り上げが伸びず「コミュニティーヴィレッジ」の累積赤字が約1億5000万円に上るなど経営が低迷し、JAは2007年に同社の解散と資産売却を決めた。
関係者によると、JA天然アロマの従業員は清算会社の役員と社員1人、1年更新の契約社員16人。契約社員は3月末で雇用期限が切れる。
同店にはエステティックのテナント1社が入っており、社員4人、委託社員17人の計21人が働いている。同テナントの経営者は「閉鎖ということはまったく聞いていない。閉鎖されればテナントも営業できず、社員も働く場がなくなる」と述べ、「JAとは出店時、小売店なども含めた複合施設ということで契約したが、現状はJA直営店舗が閉鎖され、客足は大きく落ちている。テナントに何の説明もなく閉鎖するのは納得できない」と話している。
JAおきなわは営業停止に伴い温泉の従業員をいったん解雇する方針で、砂川博紀専務理事は「JAグループはいろいろな経営体を持っているので、可能な限り雇用を継続できるよう調整する」と話した。
(島洋子、島袋良太)