2月24日14時1分配信 毎日新聞
初めての県産地鶏「長州黒かしわ」が開発され、試食会が23日、長門市湯本温泉の旅館であった。
地鶏が全国でブームとなる中、県には地鶏がなかった。このため県農林総合技術センター(美祢市)が十数年前、開発に着手。防府市などで古くから飼育されてきた国の天然記念物「黒柏鶏(くろかしわ)」を用い、交配試験した結果、種鶏の開発に成功。これにさらに1種を交配させ、深川養鶏農協(長門市)が商品化した。
肉質は適度な歯ごたえがあり、うまみ(イノシン酸)が多く、脂肪含量が少ないのが特徴。約60人が参加した試食会には、ローストチキンや蒸し鶏、ピリ辛チキンバーなどにして振る舞われた。参加した沖村裕子さんは「歯ごたえがあるが、サクサクとかみ切れる。癖がなくて、どの料理にも合いそう」と好評だった。
深川養鶏農協は10年度に年2万羽、将来的には20万羽の生産体制確立を目指し、農協のトップブランドとしたい考え。末永明典組合長は「名古屋コーチンなどと並ぶような、県と市の食の名物としたい」と意気込んでいる。【阿部義正】
〔山口版〕