河童の絵:伝説の地・日光で眠る作品、再発掘へ 来年度から整理着手 /栃木

3月3日13時2分配信 毎日新聞

 ◇山川惣治、矢野功、永田竹丸さん…の作品 集会所が保管
 河童(かっぱ)伝説が残る日光市西川地区に、多数の河童の絵が眠っている。1950年代に大人気を博した「少年ケニヤ」でおなじみの山川惣治さんの作品など、一部は野岩鉄道湯西川温泉駅併設の「道の駅湯西川」に展示されているが、大半は、近くの西川集会所で保管されたまま。まだ有名な漫画家の作品もあると見られ、来年度から作品の整理に着手し、順次、道の駅での公開を目指している。【浅見茂晴】
 河童の絵は、合併前の旧栗山村時代の1987~03年に開かれていた「かっぱ大祭」で、訪れた漫画家が描き残した作品で、その数百点にのぼる。
 当時の斎藤喜美男村長が師事していた福島県の漫画家、松葉豊さんを大祭に招いて、さまざまな河童の絵を描いてもらった。松葉さんは親交のある漫画家を連れて大祭に参加。湯西川駅前に特設ステージを設置して、地元の児童らと一緒に描いてもらった。
 当時、担当していた斎藤英敏・栗山総合支所長は「一度に15人くらいの漫画家を引き連れてきて、描いてもらった。宿泊代などを村が負担しただけで、あとはボランティアだった」と振り返る。
 作品は旧村役場(現栗山総合支所)に保管されていたが、集会所の新築を機に地元で展示したいとの意向があったため、移された。その後、道の駅が開設されたことから、「より多くの人に見てもらおう」と、同駅内の「湯の郷湯西川観光センター」前に一部が展示されることになった。
 ただ現在は、山川さんの作品「少年ケニヤ河童」のほか、日本酒メーカーのラベルやCMでおなじみの小島功さんに師事した矢野功さんや、のらくろの田川水泡さんに師事した永田竹丸さんの作品など、ごく一部が展示されているだけだ。
 「めぞん一刻」の高橋留美子さんや小島功さんの作品もあるといわれ、「当時は無名でも、現在は有名になった作者もいるのではないか」と、センターの八木沢正弘支配人は話す。「色あせる心配もあり、なんとかしたい」(八木沢支配人)と、新年度から整理に着手する考えだ。

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