BTL:那賀町と四電エンジニアリング、事業実施へ 実用化向け実証プラント /徳島

3月5日17時2分配信 毎日新聞

 ◇CO2削減に期待 設置は国内初
 那賀町と四国電力の関連会社、四電エンジニアリング(高松市)は4日、間伐材などを活用したバイオ液体燃料(BTL)を生産する実用化実証プラントの整備・試運転やBTLの各種燃料適性テストに取り組むと発表した。実用化に向けた実証プラント設置は国内初という。同町は、事業を基に二酸化炭素(CO2)排出量の大幅削減や、BTL製造で生じる電力・熱の供給などを実現するプロジェクトを行う方針。【深尾昭寛】
 同町は、森林資源から石油代替エネルギーやプラスチック原料物質などを抽出し、温暖化対策や林業再生などを図る「バイオマスタウン構想」を掲げる。その一環として、同社が経済産業省の「低炭素社会に向けた技術シーズ発掘・社会システム実証モデル事業」に応募し、採択された。対象期間は09年度1年間で、同省から委託事業費1億3000万円が支出される。
 実証プラントは、マイクロ・エナジー社(神奈川県厚木市)が開発する。同町小仁宇の「わじき工業団地」に設置され、間伐材などの生物資源(バイオマス)を基に、連続30日間運転でBTL1万5000リットルを生産。町営温泉のボイラー燃料やディーゼル公用車、林業機械などに使い、代替燃料としての適性を調べる。
 同町は同事業を基に10~13年度、プラントを増設し、BTLの本格的な商用生産を行う一方で、廃熱を利用したオリゴ糖・家畜飼料・竹精油の生産などに取り組む。更に15年度までにゴミ焼却場のBTL工場化を行う方針。最終的にはCO2排出量を年1万8000トン削減し、町全体の軽油消費量36%にあたるBTLを生産する。間伐材の供給などで100人近くの雇用創出効果も見込まれるという。
 4日、県庁で会見した坂口博文町長は「プラントを中核として町の活性化を図りたい」。同社の藤岡正直社長も「地球温暖化の一助になるだけでなく、那賀町に限らず全国各地の林業地域の再生にも大いに貢献できる」と意気込んだ。

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