マンション塗装工事でCO中毒、排気口目張りで死亡事故も

6月9日14時35分配信 読売新聞

 マンションなどの外装の塗装工事中、住民がガス機器を使ったことによる一酸化炭素(CO)中毒や異常着火の事故が相次いでいる。

 塗料がつかないよう業者が給・排気口にシートで目張りする「養生」と呼ばれる状態にしているのに、住民が機器を使用し、不完全燃焼などを起こすのが原因。今年は7件の事故が発生。過去には死亡事故もあり、経済産業省原子力安全・保安院は、業界に改めて注意を呼びかける。

 保安院によると、1986年から昨年にかけ、養生が原因で起きた事故は17件。25人がCO中毒になり、うち5人が死亡した。パロマ工業製の瞬間湯沸かし器によるCO中毒事故が発覚した2006年以降、異常着火の事故も報告に加えられた。

 今年はCO中毒2件と異常着火5件が発生。1月17日には千葉県のマンションで住民2人が入浴中、軽いCO中毒で病院に搬送された。浴室の給・排気口がシートでふさがれた状態でガス風呂釜を使っていた。今月4日にも都内のマンションで同様のケースがあり、部屋の住民3人が軽いCO中毒となった。5月13日には大阪府のマンションで、給気口がふさがれたため、瞬間湯沸かし器内にたまったガスが異常着火してフロントパネルが変形する事故も。

 マンションでは、塗装業者が管理会社との契約で工事を行うため、住民が知らずにガス機器を使う例が多い。業者が危険性を住民に伝えなかったり、工事後、シートの取り外しを忘れるうっかりミスもあるという。同院は国土交通省を通じ、全国約2700の塗装業者が加盟する「日本塗装工業会」などに「養生の際は給・排気口を開けるように。ふさぐ場合は住民にガス機器を絶対使わないよう周知徹底を」と注意喚起する。

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