独特の香りで癒やし 熊野古道の入浴木人気 三重・尾鷲市

7月8日7時58分配信 産経新聞

 世界遺産登録5周年を7日に迎えた熊野古道近くの山林で育った尾鷲市のヒノキの木片が「入浴木」として売り出され全国から注文が殺到している。「蟻の熊野詣」を見守ってきたヒノキにロマンを感じながら独特の香りで癒せることが評判となっているようだ。

 販売しているのは市内の入浴施設「夢古道の湯」で、古道沿いの市有林で採れる間伐材などで製造。昨年6月に丸太と木片を浴槽に入れたところ、「香りがいい」「気持ちが落ち着く」と評判になり製品化した。入浴業者向けの長さ1.5メートルの丸太のほか、家庭でも使えるように直径9センチ、長さ11センチの木片も商品化。円柱加工して磨いたものに「熊野古道の森からのおくりもの」と焼き入れて同施設で売り出している。土産に買った人らの口コミで人気が出て、毎月数百個を販売。製造する森林組合によると、月に千個程度になることもある。2個入り840円で、6月までに約8000個が売れた。

 最近は丸太も含めると、北海道から熊本県まで約40カ所から引き合いがきているという。

 また同施設で香りを再生するために露天風呂の一角で日干ししている木片を、入浴者が勝手に浴槽に入れることも日常化。施設も思わぬ人気ぶりに苦笑いしているほどだ。

 同施設は地元の商議所のメンバーが起こした株式会社が運営。熊野灘の沖合の海洋深層水の湯を売り物にしている。伊東将志店長(35)は「世界遺産の古道ではぐくまれた尾鷲ヒノキで心身ともに癒やしてほしい」と話している。

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