大阪児童福祉事業協会:虐待被害女性に、新拠点「そらまめ りんくう」開所 /大阪

8月15日16時0分配信 毎日新聞

 ◇働き、自立目指す 日本財団が支援、府内で2カ所目--泉佐野
 社会福祉法人・大阪児童福祉事業協会(大阪市天王寺区、田尻玄龍理事長)が、泉佐野市鶴原に、女性専用の自立援助ホーム「そらまめ りんくう」を開所した。同ホームは、親から虐待を受けるなどして入所した児童養護施設の退去年齢になっても、住居がなかったり、就職してもなかなか続かない15~20歳の若者を対象とした施設で、職員と生活を共にし、働きながら自立を目指す。女性専用のホームは、府内では大阪市平野区の施設に続いて2カ所目となる。【望月佑香】
 自立援助ホームは、1958年に誕生。全国に56カ所あり、うち女性専用は13カ所。「そらまめ」は2階建て民家(延べ約210平方メートル)を借り、改装した。6人までの入居が可能で、既に1人の入所が決まっている。入所者1人につき月20万円の支援を、日本財団(東京都港区)から受ける。
 居室は1人1部屋。女性の利用を意識し、全室で窓に淡いピンクのカーテンを備え、壁には風景画を掛けた。食事はダイニングリビングで一緒にし、風呂などは共用。
 同協会職員で、堺市の児童養護施設に30年勤務した川嶋靖之さんと保育士の経験のある妻の一子さんが常駐し、世話にあたる。靖之さんは「家主や自治会などの協力を得ることができた。近隣の住民の理解に感謝しています」と話している。
 入所には、費用として月3万5000円が必要。朝は自分で起きて出社する▽給与の半分は必ず貯金する--が規則となっている。入所後、勤め先がない若者には職員らがハローワークに同行し、仕事探しを手伝う。
 同協会アフターケア事業部長の藤川澄代さん(54)は「親から虐待などを受けた若者の中には、自立できない人もいる。大事にされているという意識が芽生えることが大事。女性と男性ではしかり方も違う。異性を意識する時期でもあり、女子だけで育てたい」と話す。
 問い合わせは、同協会アフターケア事業部(06・6765・3400)。

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