災害時に井戸を活用 姫路・野里で防災マップ設置

 災害時に家庭の井戸水を生活用水として活用しようと、姫路市の野里地区連合自治会(金井利孝会長)が井戸をしるした防災マップのパネル製作に取り組み、1月中に81枚を設置する。江戸時代からの町家が残る同地区には多くの井戸が現在でも使われており、役員らは「阪神・淡路大震災や佐用町の水害では、水道の復旧に時間がかかった。地域に眠る豊かな資源を活用できるように備えたい」と話している。

 同自治会は、山崎断層帯地震などの大規模災害時に、公的機関が混乱しても地域で自立して助け合うことを目標に、2008年度から防災活動を始めた。08年秋には電気、ガスの寸断を想定し、野里小学校で炊き出し訓練を実施。大きな鍋がある家を探し、倒壊家屋の廃材に見たてた木材をくべて食事を作った。

 次の課題は水の確保。野里地区では町家の中庭などに井戸が掘られ、今でも飲用や風呂、洗濯に使う人は珍しくないというが、市が1998年から募集を始めた災害時市民開放井戸にはわずか11カ所しか登録されていなかった。

 昨年9月に連合傘下の29自治会を通じて井戸探しを呼び掛けると、49カ所が新たに登録に応じた。自治会では井戸に加え農業用水など、地域の水資源をしるした詳細な地図にし、地区内を81枚に分けてパネルを製作。2月までに街角の掲示板に張り終えるという。

 金井さんは「井戸を探す中で役員が災害弱者と顔見知りになったり、住民の防災意識も高められたりと一石二鳥。近隣の井戸を共有して使えば、まさに“井戸端会議”で水以外の助け合いも生まれるきっかけになるのでは」と期待している。

(直江 純)

【災害時市民開放井戸】

 災害時に井戸水を水洗トイレや風呂などに使う生活用水として開放する制度。災害時は水質が変化しやすいため、原則として飲用には使わない。姫路市では無料で水質検査が受けられ、現在1518カ所が登録している。

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