甲信越の百選「清津峡」紅葉の期間長く 新潟

11月12日8時3分配信 産経新聞

 「いつもの年なら11月上旬には終わる紅葉が、今年は珍しく中旬まで続きそうです。運が良ければ紅葉と雪を一緒に楽しめるかもしれませんよ」(十日町市観光協会中里支部)。

 新潟、群馬県境にある白砂山(2140メートル)を水源とする清津川に沿いに12・5キロにわたる切り立った岩壁は、黒部峡谷(富山県)と大杉峡谷(三重県)と並んで日本三大峡谷と称される。清津峡温泉から上流約8キロの景観が特にすばらしく、角張った棒状の岩を束ねたように見える柱状節理が高さ50~100メートルの断崖(だんがい)となって続いている。

 紅葉だけなら清津峡温泉街からの眺めだけでも十分だが、清津峡渓谷トンネルからは紅葉と荒々しい柱状節理の断崖の両方を楽しめる。トンネルは昭和63年に峡谷沿いの遊歩道で起きた落石事故で男性が犠牲になり、安全にこの絶景を楽しめるように、県の助成を受けた地元の旧中里村が平成4年から掘削工事を始め、8年10月にオープンさせた。

 長さ約750メートルのトンネルの途中にある3カ所の見晴所からは目前に柱状節理の断崖が迫ってくる。トンネルの終点のパノラマステーションからは温泉街に向かって峡谷を一望でき、荒々しい柱状節理の間を清津川が流れ、紅葉した斜面が重なり合うように続く遠望が美しい。最寄りの市営駐車場からトンネルまで徒歩3分ほどで手軽に峡谷美を楽しめる人気のスポットだ。(石田征広) 

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【用語解説】清津峡

 上信越高原国立公園に含まれ日本の紅葉百選に選ばれている。関越自動車道の塩沢石打ICから国道353号経由して車で約25分。清津峡温泉街の近くに3カ所の市営駐車場があり、トンネルに最も近く70台収容の第1駐車場から入坑口までは徒歩約3分。入坑は有料で高校生以上の大人500円。小中学生の小人250円。11月のトンネルの開坑時間は午前8時半~午後5時(降雪で1月中旬~3月中旬休業)。問い合わせは十日町市観光協会中里支部(電)025・763・3168。

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