11月15日8時6分配信 産経新聞
世界遺産登録に向けて「四国のお遍路文化」を世界に発信しているJTBグループは、遍路ツアーを組み込んだ第1弾の海外旅行団を受け入れた。ツアーはオランダの日系の旅行会社が企画し、オランダ人29人が参加。すでに一行は四国で巡拝を始めており14日、愛媛県入りした。
オランダ在住の禅の研究者、リンツ・リツケス氏が遍路ツアーを監修し、同氏の門下生たちが参加。今月7日に関空経由で来日し、徳島県の第1番札所「霊山寺」をスタート。18日まで貸し切りバスと徒歩で、合わせて29の札所を巡礼する。
すげがさに白装束で巡礼しているオランダ人遍路の一行は14日、愛媛県久万高原町の第44番札所の「大宝寺」に到着。紅葉真っ盛りの境内で、リズミカルな般若心経を力強くとなえた。
リツケス氏は「仲間たちと日本の仏教文化に直接触れることができ、とても幸せです」。案内役で高松市の大先達、米谷文夫さん(67)は「(外国人ながら)般若心経を暗唱している人も多く、立ち振る舞いも立派。はしの使い方も上手です」とほほ笑んでいた。
続いて徒歩で第45番札所「岩屋寺」(同町)を参拝。このあと松山市の道後温泉のホテルに宿泊した。15日は同市の第46番札所「浄瑠璃寺」から51番札所「石手寺」まで約12キロを歩く。
初めて遍路ツアーを受注したJTBグループの訪日外国人旅行を手がける「JTBグローバルマーケティング&トラベル」(東京)は「昨年の下見からほぼ1年で今回のツアー催行にこぎつけた。引き続き世界の方々をお招きするよう努めたい」としている。